――街録チャンネルのコメント欄って、ほとんど荒れることがないですよね。
三谷 いや、ありますよ。他のチャンネルもそうだと思いますが「こいつはブスだ」とか「気持ち悪い」とか、そういう意味がないものは、メンテナンスしてます。そういうしょうもないコメントって、触発されて増えたりするし、放置すると「ここ、好き放題書いていいんだ」っていう人が集まってきちゃう。取材と関係ない悪口なんて、感想でもなんでもないですから、残しても意味がない。真っ当な批判であれば残しますけど。まあ、そうは言っても僕という1人の人間の感覚なので、間違った判断もあるかもしれませんが。
人気動画はむしろ「メディアでフォーカスされてこなかった人」
――「所沢のタイソン」が最もバズった動画ですか?
三谷 最もバズったというより「最も物議を醸した人物」です。一番再生されている動画は「障がい者専門風俗」の小西さんの動画ですね。
「障害者専門風◯嬢/重度知的障害者や手足動かない客に口で下を責められ…」
「障害がある方って性欲あると思いますか?」と逆質問するところから本題に切り込んでいく小西さん。「誰でも性欲があるのは当たり前だと思っていたから、福祉の世界に入って、そういうケアが無いことにビックリした」とも。現在も一般社団法人「輝き製作所」の所長として「障がい者の性」の問題に取り組む活動を行なっている。
三谷 2位が「子どもを育てるためにゲイの道で身を売って借金を返しました」という上野でゲイバーをやっている保坂さん。
「妻がホスト狂いで1700万円の借金/借金返済し娘を育てるためゲイの道へ」
「上野にもゲイバーはたくさんあるよって言いたくて」と明るい口調で話し始める保坂さん。もともとノンケで妻子がいたそうだが、ホストにハマった妻が作った借金を返済することになり、生活が困窮。たまたまゲイだった同級生に「1万円貸して」と頼んだところ「あんたなら稼げるよ」と言われ、ゲイの道に踏み込むことに……。
三谷 3位に著名人が来て、ガーシーさんですね。
――ガーシーさんは誰かの暴露とかじゃなくて?
三谷 ご自身の話をしてもらってます。当時のガーシーさんは、選挙出馬の前で、まだご自身のYouTubeチャンネルがbanされる前でした。通常の動画は1年半から2年くらいかけて上位の再生回数に達するんですが、ガーシーさんだけは早くて、9ヶ月で262万回再生されました。
三谷 ガーシーさんに続いて、4位がお笑い芸人の東野幸治さんで、5位が先ほどの「所沢のタイソン」。
――芸能人や著名人ばかりが上位を占めるわけではないんですね。
三谷 「街録チャンネル」では、他のメディアで見ることができない人、聞くことができない内容の動画がよく再生される傾向があります。
だから、今までメディアでフォーカスされなかった人も、その人生を自分の言葉で語ることで、注目を集めているんだと思います。
撮影 市川はるひ