フリーランスのディレクター、三谷三四郎さんが街頭インタビューを行うYouTubeチャンネル「街録ch~あなたの人生、教えて下さい~」(以下「街録チャンネル」)。2020年に設立してからすでに1000本を超える動画がアップされ、登録者数も111万人超えという人気コンテンツだ。
インタビューに迎える出演者は多種多様。芸能人や文化人もいれば、無名の一般人もいる。話の内容は、数奇な運命や壮絶な過去、特殊な経験や不思議な能力など、見たことも聞いたこともないようなものばかり。4月下旬、いつもインタビューを行う側の三谷さんに、お話をうかがう機会を得た。
視聴者からの風当たりが強かった人は…
――「街録チャンネル」の動画は、出演者と街で会うところからいきなり始まって、そのまま長回しで撮り続けているようですが、一旦カメラを止めるようなこともあるんですか?
三谷 例えば「昔ヤクザの人と……」という話で、「それ、どこ組なんですか?」と聞いて、ちょっとカメラの前では、ということになったら一度止めて、僕だけに話してもらい、背景がわかった状態で再度カメラを回してます。
――編集中「この話カットしてあげたほうがいいな」と判断することもあるんですか?
三谷 あまりないですが、飲酒運転で、車と接触したけど逃げちゃったという話は切ったことがあります。時効ではあるけど、そんな話聞いていても気分よくないし、本人にも得がないですから。
――批判コメントが来たとか、視聴者からの風当たりが強かった人はいますか?
三谷 「所沢のタイソン」と呼ばれている人に出てもらったんですけど、彼がそうかもしれません。
物議を醸したアウトローな出演者“所沢のタイソン”
――どういう方なんですか?
三谷 一言で言うと「ケンカの有名人」。本当かどうかはわからないんですけど、関東連合の人たちを何人かケンカで潰したって言われる「○○兄弟」という人がいて、その弟の方を一撃で倒した、みたいなことがインターネットで語られていたり。あとは、とある総合格闘技のチャンピオンみたいな人と、クラブかどこかで揉め事になって、その人をノックアウトしたとか……。インターネットには、誰かが書いた「所沢タイソンまとめ」みたいな謎のブログがいくつか上がっているんです。
それである時、彼の後輩だと名乗る人物から「こういう人がいるんですけど、取材どうですか?」と売り込みのDMが来て「面白そうだし、取材してみるか」ということになりました。そうして2年前の1月にアップした動画がすごくバズって、芸能人の動画もババッと抜き、当時の街録チャンネルで“最速100万回再生”になりました。今だにトータルで5位くらいの再生回数です。
――ほぼ一般人みたいな人が、なぜそんなに注目を集めたのでしょう?
三谷 多分ネットに書かれるくらい「アウトロー好き」な人たちがいるんだと思います。そういう「都市伝説みたいな人」が肉声で喋ってるという怖さかな? それがあったのかもしれないですね。