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――出演者のみなさん、かなり積極的に話してくれますね。

三谷 最近は特に、アポイント取ってから取材してるので、しっかり話してくれる人が多いんです。でもチャンネルが始まったばかりの頃は、直感で、見た目的に派手そうな人や、インパクトあるタイプの人に、街でひたすら声をかけてインタビューしていたので、なかなか取材を受けてもらえず、大変でした。話の種類に広がりもないし……それでだんだん街中で声を掛けるだけでは限界があると感じるようになりました。

――チャンネルの人気に弾みがついたきっかけは?

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三谷 街で声をかけたホームレスの人に密着し始めたら、それが注目を集めたみたいで、その頃に登録者数5000人に到達しました。でもそうしてるうちに、そのホームレスの人が社会復帰できることになって、そのシリーズをやめなきゃいけなくなったんです。ホームレスだった過去がYouTube動画に残っていたら、新しい生活の邪魔になっちゃうから、アップしていた動画を消して。まあ、応援してるってスタンスで密着したんだから、それはそうなりますよね。

 それで「人気シリーズがなくなっちゃった」と思ったんですけど、その頃にはもうある程度やってきた動画で「こういう話は視聴回数伸びやすい」とか「こういうのは食いつき悪い」という経験値があるから、「街中で声かけることにこだわらずに、Twitterで探して面白いプロフィールの人にDMでオファーしてみよう」と思いつきました。

 

 エロ系やアウトロー系が伸びやすいという感覚があったので、元闇金やっていた人とか、風俗の人たちを撮ってるカメラマンとか、風俗嬢カウンセラーとか「官能小説書いてます」って人とか、そういう人たちにDMをしまくりました。返信は20件送って1件返ってくるという程度。でもそうやって「取材受けます」と返事をくれる人はしっかり話してくれるんですよね。

きっかけは「テレビ業界で楽しい仕事が減ってきちゃった」

――身軽そうですが、撮影用カメラは?

三谷 カメラはこのリュックに入るサイズです。僕は以前はテレビ番組のディレクターをやっていたんですが、もともと仕事とは別に趣味用に使っていたカメラがあったので「あ、俺カメラあるから、これで自分のコンテンツ作れるじゃない」と気づいて、それを初代のYouTube撮影用カメラにしました。ちなみに、今使っているカメラは2台目です。

――その流れでYouTubeを始めたんですか。

三谷 そうですね。ある時期に「テレビ業界で楽しい仕事が減ってきちゃったなあ」と感じるようになって、テレビの世界でディレクターとしてどうこうなろうっていう気がなくなってきたんです。それで、お金になるかわからないけど「YouTubeは自由だし楽しそうでいいなあ、やってみようかな」と。そんなこんなでYouTube配信を始めたのが3年前、33歳の時でした。