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「否定から入らない、相手を下げる言葉を使わない」 『マダムたちのルームシェア』に学ぶ、すてきな歳の重ね方

『マダムたちのルームシェア』#1 seko kosekoさんインタビュー

2023/05/12
note

友人や家族の良いところを参考に

──『マダムたちのルームシェア』をイラストではなく、漫画という形で表現されたのはなぜですか? 

seko もともと、高校の頃から4コマ漫画などを描いていたんです。漫画はイラストと違って言葉が必要なので、どれだけの情報をイラストと言葉で表現して、どこを削るかということを考えるのがとても難しいのですが、『マダムたちのルームシェア』は、マダムたちが共同生活をする漫画を描こうということを最初に決めて、あとからキャラクターをつくりました。ルームシェアという設定にしたのは、私自身が友達同士のルームシェアに憧れているからです。

──栞さん、沙苗さん、晴子さんの3人のマダムに、実在のモデルはいらっしゃるのでしょうか。生き方も性格も好みもバラバラだけど、とても仲がいい3人のキャラクターはどのように生まれたのですか?

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seko 実在のモデルはいません。ですが、私の周りの友人や家族の良いところを少しずつ参考にして3人のキャラクターができ上がりました。歳を重ねてもずっと仲が良くいられるのは、相手を尊敬しているからこそ。そんな友人関係っていいですよね。

『マダムたちのルームシェア』2巻(seko koseko著、KADOKAWA)

すてきな歳の重ね方

──本作に登場するマダムは皆、相手を尊重しながら「自分」をしっかり主張していますよね。3人のユーモアあふれるかけあいも楽しく拝読しています。

seko 3人とも私の理想を込めているので、全員に思い入れがありますし、私の憧れでもあります。沙苗さんのようにしっかり者のオシャレ番長になるのも良いし、栞さんのようにハツラツとした元気で周りを活気づけられるマダムや、晴子さんのようにほんわかした雰囲気と優しさで包める人にも憧れます。最終的にマダムたちの年齢になった時の自分がどうなっているのか楽しみです。

──どうしたらあの3人のように歳を重ねていけると思いますか。

seko マダムたちを描く際、否定から入らないことと、相手を下げる言葉をなるべく使わないようにということは意識しています。

 そしてマダムたちは、相手に何かしてもらったら必ず、「ありがとう」「助かったわ」と言います。もちろんお礼を言うばかりで行動が伴ってないと良くないですが、人に何かをしてもらったら、その次は自分がお返ししようと、気張らない程度に行動することを私自身も心がけたいなと思って描いています。