2021年以来、相次いで発覚する国立大学法人の附属小中学校での教員への残業代未払い問題。国立兵庫教育大学附属中学で2020年4月から22年6月までの残業代が未払いの可能性があることが「週刊文春」の取材でわかった。

 運営法人である兵庫教育大学は、昨年10月に労基署の勧告を受けて、附属校・園の教員計54人に対して、昨年7~9月分の残業代の合計約1320万円を支払っている。

兵庫教育大附属中学校

 だが、兵庫教育大附属中の関係者が明かす。

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「残業は昨年6月以前にも行われていました。未払いはいまだ残っているはずです」

「教員への残業代の未払いがまだ残っているのは間違いない」

 今年3月まで同校の校長だった上野佳哉氏(62)が取材に申し込むと、事実関係を認めた。

「教員への残業代の未払いがまだ残っているのは間違いない。このままだと大学側の逃げ勝ちだと思います」

生徒からの手紙を手に語る上野佳哉前校長

 上野氏の認識でも、労基署の是正勧告を受けて大学が教員に支払った残業手当は、昨年7~9月分だけだという。

「しかし私が着任した2021年4月以降、私が知る限りほとんど毎日、ほぼ全員の教員が午後8時ぐらいまで残っていた」(同前)

 附属中における残業の実態について、現役教員が証言する。