そもそも風俗店は男性客の願望を満たすサービスをするものだが、その中でもXの色恋営業の徹底ぶりは有名だったという。1年ほど『X』でキャストとして働いた経験を持つA子さんは、店から接客の“マニュアル”を渡されていたという。
「入店した際に、契約書とかそういう関連の書類と一緒に、紙に印刷されたマニュアルを渡されました。最初にお客さんと対面するエレベーターの中では目をウルウルさせて待つ、『待ちきれない』という雰囲気を出してお客さんに抱き着く、服越しに身体を触る、みたいに細かく接客方法が書かれていました」
「もっと密着するように、あのお客さんに対してはキスを多めに」
マニュアルの内容は、エレベーターの中だけではなく個室に入ってからの振る舞いにも細かく言及していた。
「喋る時はお客さんの耳元で、恍惚とした様子で吐息がかかるように、と男性に対してどう接するかが本当に細かく書いてあるんです。お風呂でお客さんの身体を洗っているときやシャワーを流しているときにもこまめにキスして、プレイが終わってお見送りをするときも、『別れたくない』とか『帰らないで』みたいなことを言って、引き留めたり思わせぶりな態度を取ったりするようにと。
エレベーターで会った瞬間からお客さんが帰るまで、とにかく恋人のように、『本当に自分のことを好きなんじゃないか』と勘違いさせるようにイチャイチャしろと徹底的に言われていましたね」(同前)
「X」を訪れる男性客も「ガチ恋スタイル」を求める人が多く、マニュアルに沿った接客をしないとアンケートなどで酷評されることもあり、店側から厳しい指導が入ったという。
「プレイが終わったあとに男性が女の子の接客について回答するアンケートがあるんですが、『いちゃつきが足りない』というコメントがあると、後から店員に指導されるんです。次からはもっと密着するようにとか、あのお客さんに対してはキスを多めにするように、とも言われた記憶があります。
入店時の研修も他店と比べてしっかりしていました。ソープランドならではのマットプレイも元従業員の女性から数時間にわたって講習を受けました。お客さんの性癖に対応するための特殊なプレイも、細かく技術を教えてもらいました」(同前)