「論破ブームは、全然、良いことだとは思いません」――。鋭い知性と、力強い言葉を武器に、幅広い活躍を見せるラッパーの呂布カルマ氏。2022年、インターネットの番組で論破王こと、ひろゆき氏を打ち負かした彼は、「空前の論破ブーム」に何を思うのか?

呂布カルマが「論破ブーム」を幼稚と語る理由とは? ©松本輝一/文藝春秋

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2022年、ディベート番組でひろゆきに勝利

――今日はディベートの話を中心に伺えればと思っているんですけれども、『マッドマックスTV論破王』(ABEMA)のレギュラー出演が決まったきっかけは何だったんですか。

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呂布カルマ(以下、呂布) もともとこの番組は、ひろゆきさんがいろんな業界の著名人とディベートで対決するという内容でした。2022年にチャレンジャーとして声がかかって、彼に勝ったんです。それで、「次からは呂布さんが挑戦を受ける立場として出てください」と言われて。そういう流れで、レギュラーになりました。

――そうなんですね。でも、負けたら交代というわけではないですよね?

©松本輝一/文藝春秋

呂布 そうですね。ちょこちょこ負けたりはしているんですけども、今のところ降板にはなっていません。

――番組を見させてもらって、ディベートが凄く上手でびっくりしました。番組に挑むにあたって、勉強されたりしたんですか?

呂布 僕もあの番組をきっかけに、初めてやらせてもらいました。そこで知ったことですが、ディベートって、自分の主義主張をぶつけるよりも、相手の立場に立つことがポイントじゃないですか。

 そもそも、そのルールを理解していない対戦相手がほとんど。なので、いまだに自分が本当にディベートが得意なのかわかっていないです。ディベートの心得がある人と、対戦したことがないので。

――でも、ひろゆきさんには勝ちましたよね。