文春オンライン
「実はいけないことをしているから資料は配れないの」元大手航空会社CAが手を染めた“怪しすぎる投資商法”の実態《史上最大級の投資詐欺疑惑》

「実はいけないことをしているから資料は配れないの」元大手航空会社CAが手を染めた“怪しすぎる投資商法”の実態《史上最大級の投資詐欺疑惑》

note

 取材班は、スカイ社への出資を勧誘するY子の営業手法をよく知る知人から、その巧妙な手口を聞くことができた。

「Y子が持っている顧客リストには400人程が載っていて、このうち300人ほどが古巣の大手航空会社の関係者で、札幌から那覇まで住所はバラバラでした。

 一度顧客になった人からはお金を吸い上げると同時に『お金を増やせるGOOD-LIFE(スカイ社の標語)を送れるので人を紹介して下さい』と依頼して、芋づる式に顧客を増やしていったんです。必ず大手航空会社の元CAという経歴を強調していて、那覇では実家の会社名も使っていました」

ADVERTISEMENT

講師として活動していた時のY子のプロフィール

 A氏夫婦が参加したという「投資セミナー」も、定期的に開催していた。

「毎週1回ほど、銀座の貸会議室でスカイプレミアムへの入会と金融商品勧誘のセミナーを1時間半ほど実施していました。ただセミナーなどでは、金融商品に関する説明は必ずノートパソコンやプロジェクターに投影するだけで、資料を配布することは決してない。一度Y子に理由を尋ねたら、『実はいけないことをしているから配れないの』という答えが返ってきました。間違いなく、違法性を自覚していたのだと思います」(同前)

 Y子は「自分の顧客の中には1億円以上も入金しているお金持ちもいる」などと周囲に自慢し、自らも巨額の仲介報酬をスカイ社から得ていたようだ。

 合わせて3000万円をつぎ込んでしまったA氏夫婦のケースは、スカイ社によって生活が狂わされてしまった被害者の一例に過ぎない。東京地裁や札幌地裁などで、スカイ社の代表や勧誘者を相手取った損害賠償請求訴訟が相次いでいるほか、被害者による刑事告訴も進んでいるという。

 事実確認のため、スカイ社にメールで取材を申し込んだところ、次のような返信が届いた。

 <本件に関する取材につきましては一切お受け付けしておりません。また、他社が提供するサービスに関し、見解等をご提供する立場にはございませんので、ご了承ください。>

 スカイ社への包囲網が迫っているなか、A氏らを勧誘した元CA、X子とY子の携帯電話に問い合わせの電話をかけたものの、いずれも出ることはなかった。

写真はイメージ ©️AFLO

 1200億円という“史上最大”の投資詐欺疑惑、真相の究明と、被害者の救済が行われる日は来るのだろうか。

「実はいけないことをしているから資料は配れないの」元大手航空会社CAが手を染めた“怪しすぎる投資商法”の実態《史上最大級の投資詐欺疑惑》

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー

関連記事