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ジャニー喜多川氏の性加害を“なかったこと”にした博報堂の言い分 ジャニーズ事務所への配慮を公言

note

〈ビジネスパートナーであるジャニーズ事務所への配慮〉

 その後、連絡はなく、3月末に雑誌が届く。すると先ほどの発言が削除されており、対談の最後にこう注意書きが記されていた。

〈ビジネスパートナーであるジャニーズ事務所への配慮の観点から、博報堂広報室長の判断により一部表現を削除しています〉

発言が削除されていた

 

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『広告』に掲載された文面

 これを見た矢野氏は、すぐさまnoteを執筆する。

「外の人間が話している者の責任で語っていることを、広報室長の判断で削除するというのがよくわからなかった。気分としては、変ですねぇっていう」

 すると小野氏も4月4日、noteに投稿。広報室長から削除要求があった際に抗議したが、聞き入れられなかったと明かした。

 ジャニーズへの「配慮」により、ハラスメントの文言を削除した博報堂。水島正幸社長に見解を尋ねたが、「会社の方に」と繰り返すばかり。広報室に性加害を容認したかのような判断が適切かなどと聞くと、概ね以下のように回答した。

博報堂の水島正幸社長(同社HPより)

「記事は最終的には博報堂広報室長がその内容について確認をしています。この件に限らず配慮が必要と判断した原稿に関しては、編集長と相談の上、修正の必要性などの判断をおこなっています。矢野氏へは、ご迷惑をおかけしたことにつきましてお詫びさせていただきたいと考えております」

 かくしてジャニーズの性加害は、なかったことにされていく。

ジャニー喜多川氏の性加害を“なかったこと”にした博報堂の言い分 ジャニーズ事務所への配慮を公言

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