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 歌手の仕事って、自分の歌と衣装があればなんとかなるので「いけるかな」と。それでやってみたら、すこしずつお仕事をいただけるようになったんですよね。そのあと、2020年の9月に「独立しました」と正式にアナウンスしたら結構な反響があって、いまにいたります。

 でも、いまとなっては法人にしなくてもよかったなと思うことも多々あって。法人から個人事業主に変えたりして、自分に最適な形を探している最中ですね。

大学院への進学を断念

ーーどうして茨城県取手市の物件を選んだのでしょう。北海道出身のさくらさんにとっては、縁もゆかりもなさそうな場所だなと思いまして。

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さくら 大学ですね。私、日本大学の法学部政治経済学科に通っていたんですよ。大学を決めるときに「とにかく家から近い場所にある大学の法学部にしよう」って選んだら、神田の日大になったんです。日大の神田三崎町キャンパスって、浅草のマンションから30分もかからなかったんですよ。

 だから今回の家探しも通学に時間がかからないのが絶対条件で。取手は、つくばエクスプレスを使えば、40分ほどで秋葉原に出られて、そこから総武線で最寄り駅の水道橋まで行けばいいですし。車でも常磐自動車道を通れば、やっぱり1時間くらい、空いてれば30分か40分で東京に着いちゃうんで。そういうわけで、つくばエクスプレスが使えるライン上にあって、なおかつワンちゃん8匹と一緒に暮らせる広い家を探していたんです。

ーー大学へのアクセスも考えての取手だったと。

さくら そうですね。そのまま日本大学大学院法務研究科まで進むつもりだったんですけど、事務所の解散と独立が重なってしまって、大学院はあきらめてしまったんです。

 営業や経理も自分でやらなきゃいけなくなったし、事務所からファンクラブも引き継がせてもらえたけど、その運営も私がしなければいけない。家を買って住まいを確保したものの、なんだかんだいってローンも心配だし。となると、さすがに大学院に行っている時間はないなって。

法律を勉強している理由

ーー法律を学ぶきっかけはなんだったのでしょうか?

さくら 高速道路で事故に遭ったことがあって。私が乗っていた車のお尻に、雨でスリップした車が突っ込んできたんです。けっこう車体がえぐれてしまって、座っていた場所が違っていたら大変なことになっていただろうなって。そのときに弁護士さんとお話しする中で「こういう事故に遭うと、どんな法律が動くんだろう」って思うようになったんです。

 交通事故の過失割合で“10対0”とかあるじゃないですか。そういったことの知識がまったくなかったんですけど、「なんなんだろう」と自分で調べていくうちに興味を持っていった感じですね。

ーー法律が面白く思えたと。

さくら というよりも、「法律って、生きていくうえで意外と重要では?」とハッとしたんですよ。「知らないルールって、いっぱいあるんだな」って感じですかね。法律って一般常識ではないけど、知っていたほうが絶対に有利になるんですよ。