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「自分に嘘をつかないように」ヤクルト・三輪広報が自身の背番号60を継ぐ男・武岡龍世にかけた言葉

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/05/30

 こんにちは東京ヤクルトスワローズ広報部の三輪正義です。みなさん、ご機嫌いかがでしょうか? GW後から最近に至るまで、チームは連敗が続いたりと、なかなか波に乗れず、僕もモヤモヤする日々が続いています。が、明けない夜はない。必ずや選手も復調し、順位も浮上してくると信じております。

 そんななか、今年も公式YouTube企画『つば九郎ショッピング』の第1弾を配信しました。実は、この収録現場、台本は商品名と登場順、価格だけが書かれたA41枚、「ペライチ」のみで進行しているんです。つば九郎考案のグッズを、つば九郎の軽妙なフリップ芸と僕のツッコミだけで展開するという、超低予算かつ、スリリングな番組となっていますが、皆さんもう見てくれましたか?

背番号「60」の後輩を気にしています ©三輪正義

『つば九郎ショッピング』売れすぎに関係者えびす顔、でも…

 しかし、今回、「安心してください、穿いてますよ」などタイムリーなネタも盛り込んだのが良かったのでしょうか、たった1時間の配信で、担当者、関係者があっと驚くような金額を売り上げたんです(みなさんのおかげです!ありがとうございます!!)。

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 関係各所の“えびす顔”を見ると進行役として、誇らしい気持ちになりますが、僕自身は、ボールペンを持ちながらなぜかそれを「定規」と言い続ける、大きなチョンボを犯しました。つば九郎に間違いをツッコまれても全然気づかなかった僕。後からビデオを見て、「老化か……」と愕然としてしまいましたが、僕のミスをしっかりと笑いに変えてくれたつば九郎と編集スタッフはすごい。4年目を迎えて、ミスをカバーしあえるチームに“成鳥”しています。

交流戦が上昇のきっかけになる

 さて、いよいよ交流戦が始まります。2021年は10勝8敗、勝率.556で5位、昨年は14勝4敗、勝率.778で優勝と、交流戦をきっかけにぐっと上昇気流に乗ったスワローズにとっては、縁起のいい3週間です。

 交流戦はパ・リーグの本拠地での試合が全18試合のうち9試合組まれます。セ・リーグのチームにとってカギを握るのがDHが使えること。投手が打席に立たないので、野手が普段よりひとり多く打席に立てる。

 ここで重要となるのが、普段はベンチを温め、出番を待っている選手たちのスタメン起用です。攻撃型の選手をDHに置き、守りを普段はサブの選手が担い、かつ打席にも入ることができるのです。

則本投手から三塁打を打った映像が蘇る

 僕も現役時代、「9番・レフト」といったような起用をされることが多くありました。なかでも思い出深いのは2016年の交流戦。郡山開成山球場で行われた、楽天イーグルス戦で楽天のエース・則本昂大投手から放った三塁打です。

 則本投手にしてみれば、レギュラーでない謎の選手が9番に入っているので、簡単に捻れると思い投じた球。それをレフトに弾き返したら、レフトの選手が照明と被った打球を見失い、転々とする間に三塁を陥れるラッキーなスリーベース。

 それで則本投手の闘志に火を着けてしまったのか、次の打席では155キロのストレートで追い込まれ、最後は145キロのフォークにあっさりとバットが空を切ったのを昨日のことのように覚えています。

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