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交流戦で期待される「サブの男」たち

 交流戦では広いパ・リーグ本拠地の外野を守れ、攻撃のなかで繋ぎに徹することのでき、サブの選手と言えば、2年目の丸山和郁、3年目の並木秀尊の名があがります。

 丸山は残念ながらコンディション不良で交流戦の出場は微妙な状態ですが、並木は開幕から1軍で34試合(5月29日現在)に出場。主に代走での起用が多い選手です。

 並木の足は確かに魅力です。一塁ランナーに出たときに「走るぞ」という素振りを見せ、投手のバッターへの集中力を削いでいく。捕手も当然警戒するし、野手のシフトも変わってくる。1点を争う場面ならなおさらでしょう。そんな選手がたとえば9番にでも入っているだけで、相手からすると気を抜けない打線となるわけです。

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プロでの守備や代走の難しさをわかってきた並木

 プロ入り3年目で守備や代走の難しさをわかってきた並木。彼には球団の公式動画用にインタビューしましたが、とても真面目な子です。大晦日、実家のある草加から自転車を漕いで東京湾へ初日の出を見に行っているという、豪快なエピソードを披露しました。

「見たあと漕いで帰ったの?」と聞くと「帰りました!」と爽快に答える男。オフの選手の料理対決企画でも、こちら側の意図を汲んでくれ、チームプレーに徹することのできる男です。交流戦ではフォア・ザ・チームで大暴れすることを期待してやみません。

「60」を継ぐ男・武岡との会話

 内野手では4年目の武岡龍世。昨年は主力が離脱した際に1軍に昇格し、4割近い打率を残し、今年も主に二塁手の控えとして、ときにはスタメンとしてここまで21試合(5月29日現在)に出場しています。

武岡龍世 ©時事通信社

 なにを隠そう彼は僕の現役時代の背番号「60」を継ぐ男。いやがおうにも気になってしまうのですが、昨年の春季キャンプのとき、期せずして武岡とじっくり話すことがありました。

 僕とは現役時代がかぶらないので、武岡はきっと僕のプレーも見たことないし、選手から広報に転じた「なんかワーワーやってる愉快な先輩」という認識だったはずです。

 当時、彼は3年目が始まるシーズン、同期の長岡もまだ遊撃手で出場する前、なおかつレギュラーが決まっていない状態。そういうなかで、彼もプロ野球選手として壁にぶち当たったり、悩みがあったのでしょう。

「自分に嘘をつかないよう」

 その時僕が彼にかけた言葉は「自分に嘘をつかないよう」ということでした。

 プロ野球選手となると自分のことは自分で決めないといけない、結果を求められる世界であるし、やはり自分でやったことは自分に帰ってくる。最後は自分で考え抜かなければならないのです。プロ野球選手はみんながライバルの世界なんです。

 練習も誰かが見ているから一生懸命やる、誰も見ていないから手を抜く、ということではない。だから彼に問いました。「球場にたとえ誰一人いなかったったとしても、ひとりだけお前を見ている人がいるんだよ? 誰だかわかる?」と。

 彼はきょとんとしていましたが、僕は続けました。

「お前自身が、自分のことを見れるよね」。

 うまく行かないとき、しんどいとき、サボりたい気持ちもあるでしょう。でもそれを自分が一番わかっているはずだと。愚直に取り組むしかないんだよと。サボったらサボったでいい、でもそれを自分でちゃん認めて、先に進むことが大事なのではと。

 その瞬間彼の表情は印象に残っています。

「三輪さん、印象変わりました!」

「三輪さん、そんなこと考えてたんですか? 印象変わりました!」とある意味率直すぎる感想を武岡は口にしましたが、それから事あるごとに「三輪さん、がんばってます」と声をかけてくるようになり、その報告は今も続いています。

 村上宗隆がよく真似する、彼の独特のバッティングフォームも、きっと考えに考え抜いた証拠。それで結果が出るならフォームなんて関係ないと僕は思っています。

 やはり彼が1軍で活躍すると嬉しいし、広報としても応援したいという気にさせてくれます。

 あ、そんな武岡くん、おとといの5月28日が22 歳の誕生日です。バースデー動画を公式YouTubeと公式会員アプリにアップしております。ぜひ彼の肉声を聞いて、応援してくださいね!

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