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「ボコボコにされました」

 小澤は「ボコボコにされました」と苦笑するが、014という3ケタの番号を背負っていたあの頃の自分とはもう違う。「あの時よりはだいぶマシになってますね。今はある程度、どの変化球でもカウントを取れるようになったし、自信を持って投げれるようになりました」。

 昨年は支配下登録後、背番号「70」で先発としてプロ初勝利を含む2勝を挙げ、新たに背番号「45」を与えられた今シーズンはブルペンの一員として開幕を迎えた。5月まで14試合に救援登板して0勝1敗2ホールド、防御率3.04。もしリリーフのままであれば、この交流戦でソフトバンクを相手に投げる機会もあったかもしれない。

 ところが6月4日の楽天戦(神宮)で今シーズン初めて先発して勝利投手になり、髙津臣吾監督に「結果は合格です。本当によく投げてくれたと思います」と言わしめると、前述のとおり11日の西武戦で2勝目をマーク。今日からのソフトバンク戦に投げる可能性はほぼなくなった。それでも小澤は、いつかは古巣を相手に投げてみたいという。

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「いつかは古巣を相手に投げたい。成長した姿を見てもらいたい、特に同期には」

「投げる機会があればもちろん投げたいですね。投げ方も(サイドスローに)変わったし、前と違う成長した姿を見てもらいたいです。対戦したいのは……同期の人とは対戦したいですね。川瀬とか、谷川原だったり」

 2015年のドラフトでソフトバンクから支配下で指名された同期は、1位の髙橋純平を含め6人全員が高卒。その中で、今もソフトバンクで現役を続けている野手が3位の谷川原健太と6位の川瀬晃である。5位の黒瀬健太は昨年限りで現役を引退したが、4位の茶谷健太は小澤と同様、ユニフォームを変えてプレーを続けている。

元ソフトバンク勢の活躍に受ける刺激

 茶谷は2018年にソフトバンクを戦力外となってロッテと育成契約を結ぶと、2020年から支配下に昇格。昨年7月23日の日本ハム戦(札幌ドーム)で7年目にしてプロ初打点をマークして“お立ち台”に上がり、今年は5月17日のオリックス戦(ZOZOマリン)で初めて四番で起用されて2打点を挙げるなど、現在パ・リーグ首位のロッテにあって貴重な戦力になっている。

 他にも昨オフの現役ドラフトで阪神に指名された大竹耕太郎がここまでセ・リーグ2位タイの6勝を挙げ、FAの人的補償で日本ハム入りした田中正義はパ・リーグ4位タイの9セーブを記録。小澤と同じく2020年限りで戦力外となって阪神と契約した加治屋蓮は、今季は開幕から22試合連続無失点と、セ・パで「元ソフトバンク」勢の働きが目立つ。

「みんな知っている人だから気になるし、自分も負けたくないなと思います」

「みんな知ってる人なんでもちろん気になりますし、刺激になります。特に茶谷とかは同期なんで一軍で出てたらチェックしますし、ホークスから他のチームに行っても頑張ってる人は頑張ってるんで、自分も負けたくないなと思います」

 そうした元同僚たちの活躍もモチベーションにしながら、とにかく今は1試合1試合、結果を残していく。いつかは思い出のPayPayドームで、生まれ変わった姿をホークスファンに見せる──そんな未来を心のどこかに思い描きながら。

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