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4月・5月で6頭の誤認保護

――ツイートをした背景にはどんな事情があった?

当センターでは、県民の方が弱ったタヌキを発見した場合に、まず電話相談をいただき、状況を確認して保護が必要と判断した場合に受け入れをしています。タヌキは年間を通じて疥癬症や交通事故などで持ち込まれるケースがあり、例年1年間に20~40頭程度(仔ダヌキ含む)を保護しています。

現在いる仔ダヌキ6頭については、いずれも県民の方から事前相談の電話があり、保護するに至ったケースです。いずれも「誤認保護」とみられましたが、相談の結果、親ダヌキが戻ってくる可能性が低いと考えられる状況でしたので、当センターで受け入れ保護しました。

4月上旬に1頭が持ち込まれ、ゴールデンウィーク明けの1週間で相次いで5頭が持ち込まれました。例年、仔ダヌキの保護が増えるのは子育て時期のちょうど今頃(4~5月くらい)となります(早春に交尾し、2カ月ほどの妊娠期間を経て初夏に出産すると言われています)。 

仔ダヌキの保護は毎年行っていますので、保護することは珍しくはありませんが、今年のように短期間で複数の仔ダヌキが持ち込まれることは珍しいことでしたので、ツイッターで広報・注意喚起させていただきました。  

街中にいることも多くある(イメージ)

――なぜ、短期間で子ダヌキの誤認保護が増えたと考えられる?  

原因はわかりません。たまたま県民の方の発見が重なったととらえています 。
 

タヌキは、思っているより街中にいることも多い

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――子ダヌキが保護されるのはどのエリアが多い?

人目につく場所や側溝で見つかるケースが多いです。タヌキは神奈川県全域に生息しており、一般に思われているよりも街中にいることも多くあります。街中でもちょっとしたまとまった緑(大規模公園や緑地など)があれば、例えば横浜のみなとみらいでもタヌキが生息している可能性があるとみてよいと思います。  


――保護された子ダヌキは、その後どうなる?  

仔ダヌキに限らず、当センターで保護した野生動物は、野生復帰に向けて治療・飼養・リハビリし、自立して生活できる状況になりましたら、自然に返しています(放野といいます)。