1ページ目から読む
3/4ページ目

タヌキか犬猫と判別がつかない場合の対応

――子ダヌキか子猫、子犬かわからない赤ちゃんを見つけた場合、どうするべき?

確実に仔犬や仔猫である場合は愛護センター等に連絡し、不明な場合はすぐに保護するのではなく、十分に様子をうかがってください。

仔ダヌキはまだ餌の取り方や危険からの身の守り方などを学んでいません。人間は、保護したタヌキに餌をやり、体を大きくすることはできても、タヌキが野生で生きていくために必要な術を教えることまではできません。

当センターでは、野生に返すことを前提に保護し飼養していますが、人間に育てられたタヌキが野生で生きていく厳しさは想像に難くありません。やはり、親から離さずに見守るのが最初の選択と考えます。

仔ダヌキを発見しても、まずはそっと見守ってください。そのうえで、何かご相談事があれば、神奈川県内の方は当センターや横浜市・川崎市の動物園に電話やメールでご連絡ください。

県外の方は、お住まいの都道府県の野生動物担当部署に相談してください。

人に育てられたタヌキは野生で生きるのは難しい(イメージ)

ADVERTISEMENT

――子ダヌキが、けがをしていても見守るべき?

当センターの基本的な考え方としては、けがをしていても見守りをお願いしています。ただし、そのけがが、交通事故など人間の活動に起因する場合は保護するべきだと考えています。


――「人間のにおいが付くと親が警戒して子育てを放棄してしまう可能性もあります」とツイートしていたが、そのようなケースがあった?

以前、一度保護してしまった後に元の場所に戻した際、親が迎えに来なかったケースが何度かありました。タヌキは嗅覚が優れているため、においが原因ではないかといわれています。  


――子ダヌキを見分けるポイントはある?

一般に、仔ダヌキの写真(当センターのホームページにも掲載)と実物を見比べることで判別することが基本ですが、実際には仔犬や仔猫と見分けがつかないことが多くあります。

神奈川県の場合、当センターや横浜市・川崎市の動物園も同様にタヌキの保護を行っていますので、電話で相談し、メールで写真を送っていただくなどすれば判別のアドバイスができます。  


――ちなみに野生のタヌキを触ることによって人間に感染する病気はある?  

人間に感染する人獣共通感染症は様々ありますが、身近なものにヒゼンダニを介して感染する疥癬症、レプトスピラという細菌によるレプトスピラ症があります。野生動物なので、病原体になりうるどんなウイルス、細菌、寄生虫等を持っているか分からないため、未知の病気もあるかもしれません。