極端にキスシーンが少なかった、山田涼介の俳優人生
橋本環奈の相手役が山田涼介だと聞いたとき、満を持して切られたそのカードに「ついに来たか……」と思ったのは、私だけではないはず。橋本といえば、平野紫耀(元King & Prince)や佐藤勝利(Sexy Zone)、山崎賢人や吉沢亮など、あらゆるイケメンたちの相手役を務めてきた。1000年に一度と称されたビジュアルだけでなく、彼女自身の気さくなキャラクターが役者としての“信頼”にも繋がり、多くの作品でヒロインを任されている。
一方の山田は、つい先日30歳の大台に乗ったばかりなのだが、恋愛ドラマとりわけキスシーンが解禁されたのは、わりと最近のことになる。出演作は多いものの、ちゃんとしたキスシーンは片手で収まる程度。相手役のキャスティングには、かなり気を揉むのではないかと思われる。
13歳から演技の仕事をスタートした山田にとって、初めてのキスシーンは、23歳で主演を飾った月9『カインとアベル』(フジテレビ系)になる。相手は山崎紘菜だった。2018年『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』(日本テレビ系)にもキスシーンらしきものはあったが、山田がフレームアウトした方向から「シュポン」と吸引音が聞こえるだけの、ファンに配慮(?)した形になった。
次のキスシーンは、2019年の『セミオトコ』(テレビ朝日系)で、相手役は当時すでに玉木宏と結婚していた木南晴夏。さらに再び3年が経った2022年、映画『大怪獣のあとしまつ』の土屋太鳳、『俺の可愛いはもうすぐ消費期限⁉︎』(テレビ朝日系)の芳根京子とつづき、いよいよ本格的に恋愛ドラマOKのフェーズへと移ったが、相手役のキャスティングは変わらず、慎重なままだろう。
そんな山田のもとへ、信頼と実績を兼ね備えた完全無欠のヒロイン・橋本環奈が抜擢された作品が、今回の『王ささ』というわけだ。
さて、二人がもたらす安心感の話に戻る。ドラマ版『王ささ』は、誰と見ても気まずくない安心設計になってはいるものの、序盤からキスシーンはある。これまでの山田の出演作を鑑みると、結構ある。それなのに安心感が勝るのはなぜか。