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俳優も今や「職業」ではなく「技能」にすぎない

井上 僕はCMや広告で実入りがいいイメージって無いです。アパレルブランドのCMに出たとして、その俳優が服を着たことで売れたとします。それなら、俳優自身が自分で服をデザインしてブランドを手がけたほうがキャリアになるじゃないですか。

 事務所に所属しているなら、CMに出演してもギャランティが跳ね上がるわけじゃないと思います。CMに出たことが、結果としてプロモーションになって仕事が増えることはありそうですが。

©杉山秀樹/文藝春秋

──なるほど。

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井上 逆に、アパレルブランドも自社の社員をSNSに出して、服を着せている姿を見せてもいい。そうなると俳優やモデルって必要ないですよね。プロモーション費もかからない。

 俳優も、今や職業から技能になっています。TikTokに投稿されている動画を見ても、みんな何かしら演じていますよね。あれも演技です。「簿記2級を持ってます」と同じように「演技してます」とも言えると思います。

──アニメ制作会社社長としての顔だけでなく、「ChatGPTとAIを熱く語る仮面ライダー俳優」という側面も見られたのが面白いです。

井上 もう、そのあたりの技術はスルーできないですね。ChatGPTを使って記事を書く時間を半分にして、倍の仕事も受けられますよ。1人では大きなプロジェクトを動かせないし、こういう技術を使ってチャレンジングな企画に乗ってくれる人達と、一緒に大きな作品をつくりたいですね。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。