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 市議会議員の父を持ち、代々続く農園や広大な土地を持つ家系に生まれた青木容疑者。東京の大学に入学後はなかなかなじめず退学。その後は実家に戻り、近年は家にこもりがちだったという。

中学時代は「正義のヒーロー」?

 だが、前出の卒業文集には、同じクラスの生徒たちの間で実施したという“人気投票ランキング”で、青木容疑者が6つのカテゴリーのうち、3つの部門でランクインしており、クラスの人気者だった一面も垣間見える。

クラスメイトの人望は厚かったように思える

 青木容疑者は〈空がとべそうな人〉〈社長になりそうな人〉ランキングではそれぞれ2位に入賞。〈空がとべそうな人〉欄に書かれた青木容疑者の名前の横には「正義のヒーロー」との記載もある。〈お笑いコンビになりそうな人〉においては同じクラスの男子生徒とのコンビで3位を獲得している。いずれも、世を拗ねた人間が名を連ねる類のランキングではない。

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 とりわけ〈社長になりそうな人〉――。それは実現に近かったのかもしれない。

 現に、中野市議会の議長を務めるかたわら、農家として働き様々な事業も行っていた父親の正道さんのもとで、青木容疑者と同じ名前が付いた農園「マサノリ園」が主体のジェラート店で働いていた。昨年、青木容疑者の母親と話したという女性はこう話す。

「お母さんがね、うれしそうに『息子はジェラート屋で頑張ってるんですよ』って話してましたね。だから、きっと青木さん一族がずっとやっている農園を継ぐんだろうなって思っていました」

青木容疑者が働いていた、実家が営むジェラート屋 Ⓒ文藝春秋

 実家の農業やジェラート店の事業に深く携わるようになった青木容疑者は、狩猟免許も所持していたという。

所持していた銃は、猟銃・空気銃など計4丁

「青木容疑者は県公安委員会から猟銃や空気銃など計4丁の所持許可を得ていました。事件では、このうちの猟銃1丁を使って警察官2人を襲撃し、12時間立てこもったのち、警察官に説得されて、玄関から自ら投降したということです」(前出・社会部記者)

 猟銃所持の許可を得るためには、公安委員会が主催する講習や射撃の技能検定を受ける必要がある。警察は犯罪歴の有無、暴力団関係者ではないことなどを調べ、精神科医の診断書も必要だ。