重なる借金、ギャンブル狂い、三度の離婚など、さまざまな困難にさいなまれながらも、それらを跳ね返して飄々と生きてきた六角精児氏。60歳を迎えた同氏が自身の生き方を振り返った著書『六角精児の無理しない生き方』(主婦の友社)が話題だ。
ここでは同書の一部を抜粋。四度の結婚歴のうち、二度目の結婚と離婚、そして、再婚をした稀有な存在である六角精児氏の妻に行ったインタビューのもようを紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)
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朝まで平気で帰ってこないことがなんどもあったのはすごく嫌だった
どうして離婚してしまったのでしょう?
――いまのようにスマホもなくて連絡が取りづらいのに、ギャンブルしたり吞んだりして朝まで平気で帰ってこないことがなんどもあったのは、すごく嫌でしたね。
でも決定的なのは、わたしがあるとき夕食にカボチャのクリームシチューを作ったことがあって。彼はクリームシチューが好きじゃないんですが、いくら嫌いとはいえだいぶ年下のわたしがせっかく作ったのだから少しくらいは食べてほしいと思ったのに、「いらない」の一言でまったく手をつけないまま出かけちゃったんですよ。たぶんギャンブルに行ったと思うんですけど。それでわたしも頭にきて作ったシチューを部屋に投げつけたことは、いまでもよく覚えています(笑)。
それと、わたしは彼のご両親にちゃんとご挨拶したかったんですけど、会わせてくれなくて。「なんでなの?」って聞いて喧嘩寸前にまでなったこともあります。
最初のときは結納も結婚式もなかったから、結局、一度も会わせてもらえなかったんですよ。わたしの実家にはごはんを食べに来たりしてたから、うちの両親のことは知っているんですけどね。
なぜご両親に会わせてくれなかったのでしょう?
借金返済のために貸したお金を全額ギャンブルで使われる
――あのころは六角さんもご両親とあまり仲が良くなかったからだと思います。いまでこそ有名になったからいいですけど、売れていないころは教育熱心だったお母さんから「芝居なんかやってどうするの」とだいぶ嘆かれていたみたいだから。
そうだ、ほかにもいろいろと離婚の理由を思い出してきました。
ぜひお聞かせください。