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さんまさんが乳首を見せてくれた

―― 『あっぱれ』では当然さんまさんと絡むわけですけれども、どんな印象でしたか?

加藤 さんまさんはプロ! こういう人がプロって言うんだ、みたいな感じですね。僕たちと顔をあわせるのはスタジオだけでした。だから、「さんまさんとのエピソードって何かないですか?」ってよく聞かれるんですけど、スタジオで起きてることがすべてなんです。唯一あるエピソードっていったら、暑い日にキャンプロケに行った時のことくらいかな。さんまさんに「ちょっとくるみちゃん、1本取ってよ」って言われて、氷水で冷やされてる飲み物を「はい」って渡したら、「サービス」って乳首見せてくれた。そのくらいです(笑)。

―― 『あっぱれ』の同じ時期にやっていたメンバーとは、今も交流があったりするんですか?

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加藤 ぽっちゃりの海くんとか零治(OKAMOTO’Sのオカモトレイジ)とかは今でもLINEを時々したりしますね。

―― 集まることはあんまりもうないですか?

加藤 今、USJで働いてる子もいるし、保母さんになってる子もいるし、それぞれですから集まるのはちょっと難しいかなっていう感じです。でも、海くんとは、この間『ナイナイアンサー』の企画で久しぶりに再会して、そのあと焼肉一緒に行きました。

 

―― 『とと姉ちゃん』では、場面は全然違ったんですけれども、森絵梨佳さんと間接的に共演されてましたね。

加藤 絵梨佳ちゃん、すっごいかわいくて! 『あっぱれ』の時に一番親身に話ししてくれたのが絵梨佳ちゃんだったんです。それで、加藤が恋をして告白したらフラれちゃって、『あっぱれ』の中では加藤をオネエにしたのは絵梨佳ちゃんだっていう感じになっちゃったんですけど(笑)。今ではあんなトップモデルさんになって、ご結婚もされてね。

「次お前行くからな」っていうさんまさんの目

―― さんまさんとは卒業後、共演されましたか? 

加藤 『踊る!さんま御殿!!』とか『ホンマでっか!?TV』とか、関西ローカルの『明石家電視台』でご一緒させていただきました。すっごい久しぶりにお会いしたのは、さんまさんの還暦特番でした。

―― さんまさんから加藤さんへの接し方というのは変わりました?

加藤 やっぱり子供じゃないので変わったと思います。バラエティーにも出るんだったらちゃんとやれよ的な感じはありますね(笑)。よく芸人の皆さんが言われている、「次お前行くからな」っていうさんまさんの目とか、トークの時にオチがないと「で? で? で?」ってプレッシャーをかけられる感じ、だんだん分かってきました(笑)。

―― 『あっぱれ』の時はどうだったんですか?

加藤 子供だったからなのか、そこまでは感じなかったです。でも、さんまさんは瞬発的にバンッてパスを回してくるから、がっかりさせないように心がけてました。返しが長いと、さんまさんは見るからに「ああ……」ってなっちゃうから(笑)。でも、さんまさんってホントに僕たちのことを思ってくれる方なんです。『ワオ』というコント番組に出演が決まった時、プロデューサーの亀高(美智子)さんに「あいつは役者やってて芝居できるから大丈夫や」って言ってくださったそうで。

―― いい話! 支えてくれてるんですね。

加藤 そうなんです。僕が出演した『クレイジーハニー』という舞台もさんまさん、見に来てくれてたんですよ。まあ、長澤まさみさんが出てたからなんですけど(笑)。ある時、お会いした時に「あ、お前、『クレイジーハニー』出てたな」って、僕が出てたっていうのをちゃんと覚えててくれたんです。

―― 細やかですねえ。そんな「さんま大先生」から学んだことって何でしょうか。

加藤 “芸能界”というものを学んだなとは思います。当然ですけど、これは仕事なんだっていうことを強く思いましたし、こういうことをやったら盛り上がる、こういうことをやらなかったらカットされちゃうとか……まさに「生き残る」ということですよね。その学びの現場だったと思っています。

 

#2 元子役・加藤諒が振り返る「仕事なかった時代」
http://bunshun.jp/articles/-/6323

#3 “超個性派俳優”加藤諒が語る「なぜ、こんなにブレイクできたのか?」
http://bunshun.jp/articles/-/6324

写真=松本輝一/文藝春秋

かとう・りょう/1990年、静岡県生まれ。『あっぱれさんま大先生』では「くるみちゃん」のキャラクターで人気者になった。多摩美術大学で野田秀樹の授業を受け、「NODA MAP」作品『ザ・キャラクター』で初舞台。ドラマ出演作品に『主に泣いてます』『とと姉ちゃん』『真田丸』『ゆとりですがなにか』など多数。3月15日より舞台『パタリロ スターダスト計画』に主演。https://www.nelke.co.jp/stage/patalliro2018/