太い眉、濃ゆい表情。一度見たら忘れられない個性派俳優・加藤諒さんが「仕事がなさすぎた時代」を振り返る! 知られざる苦労と「生き残り」の執念を、てれびのスキマさんによる「てれびっ子」インタビューで語ってくれました。(全3回の2回目)

加藤諒さん

『ごくせん』のオーディション、落ちたんですよ

―― 転機になった作品として映画『HINOKIO』(2005年)を挙げられてますね。

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加藤 そうですね。中学2年の時だったんですけど、メインの役で、しかも映画で、CGを相手にした作品だったんです。だからちょっとキツい現場でした。全シーンリハーサルを全部やって、助監督さんも厳しくて。でも実際できた作品を見た時に、本当に目の前にロボットが居るみたいな感じになってたんです。「ああ、こういう仕事をしていきたい」って感動しました。あの作品があったから僕は役者を続けているんだと思います。

―― この時期、中学~高校ぐらいだと、テレビはどういうものを見ていましたか?

加藤 でも、やっぱり『天才てれびくん』がずっと好きで見てました。学校から帰ってきたら『天才てれびくん』。あと何見てたかな、『炎のチャレンジャー』とか『学校へ行こう!』。このあいだ、「B-RAPハイスクール」のCDアルバムをAmazonで衝動買いしちゃいました(笑)。100円だったから。

―― 懐かしくて。

加藤 そう。見てたわーって。あと、『週刊ストーリーランド』。『世にも奇妙な物語』のアニメバージョンみたいな番組で、おばあちゃんシリーズ(「謎の老婆」)が好きでした。「永遠に消せる消しゴム」とか「一生出るシャンプー」みたいな不思議な道具が出てくる。またやってほしいなあ。懐かしい。

―― ドラマはどんなものを観てましたか? 

加藤 『ウォーターボーイズ』。「2」は地元で撮影してて、「わあ、ここあそこだ、あそこだ」みたいな感じで見てるのがすごい面白かった。あと、『やまとなでしこ』。(ドラマのリストを見ながら)うわ~、『仔犬のワルツ』! これ、なっち(安倍なつみ)さんですよね! 『僕と彼女と彼女の生きる道』とかも見てたー。この『ヒミツの花園』っていう作品で、今度僕が主演する『パタリロ!』の脚本を書かれたイケテツ(池田鉄洋)さんを初めて知りました。あー、『ナースのお仕事』大好き! あと『ごくせん』も見てました。第3シリーズのオーディション、落ちたんですよ。

 

―― 受けてたんですね。

加藤 そうなんですよ。その時に審査員をされていたプロデューサーさんが、のちに『東京タラレバ娘』に呼んでくださってご縁だなあって思いましたけど。『大好き!五つ子』もオーディション受けたんですよ。

―― 昼ドラですね。

加藤 子供の時も受けましたし、『Go!!』の時も受けました。あと、『のだめカンタービレ』は、僕、音楽学科に通ってたんで、あの漫画がバイブルみたいな感じだったんですよ。それで、歌の先生に「この漫画、絶対実写版になるから、早く役を狙っておいたほうがいいよ」って言われました。本当は出たかったんですけどねえ(笑)。