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『あっぱれさんま大先生』でオネエキャラに開眼

―― 先ほどお話に出た『あっぱれ』ですけど、オーディションはどんな感じでしたか?

加藤 そもそもは、今所属してる事務所から「オーディション受けませんか?」っていう話が静岡のダンススタジオに来て、「受けたい」って手を挙げたんです。で、実は最初はオーディション落ちちゃったんですよ。落ちちゃった後に、当時の『あっぱれ』は、2人ぐらいゲスト枠があって、その枠で呼んでいただいて、そのまま準レギュラーに。そしてレギュラーになりました。

―― もともとは役者志望だったんですか?

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加藤 吉本新喜劇が好きで、どちらかというとお笑い芸人になりたかったんです。当時、『超コメディ60!』っていうのが放送されていたんですよ。それで藤井隆さんを見て、「ヤッバい、この人!」「この人すごい!」って大ファンになったんです。笑いのツボが自分に合って面白いし、それでいて、お芝居しても素晴らしいし、歌ってもかっこいいし、ダンスもできるし……。あこがれてました。

 

―― お笑いへのあこがれがやっぱりあったんですね。

加藤 ありました! でも、学校ではホントに地味っ子で、笑わせるとかそういう意識は全然なかったですね。僕の学校、結構ドロドロしてたんですよ。だから、どう仲良くやっていくかみたいなのはすごく考えてました(笑)。少しでも目立つと叩かれる感じ。僕は男子よりも女子と一緒につるんでることが多かったので、なおさらドロドロの世界に生きていました。交換日記に悪口いっぱい書いてあったり(笑)。

―― 『あっぱれ』では途中から「くるみちゃん」という、今でいうオネエキャラに“変身”したじゃないですか。自分の中で葛藤はありませんでしたか?

加藤 全然なかったです。事務所からは、オカマキャラで出ちゃうと学校でいじめられないかって心配されたんですけど、ちょうど僕が出て少し経ったタイミングで『あっぱれ』は静岡で放送されなくなったんですよ。だから、自分も開き直っちゃって。

―― ああ、なるほど!

加藤 子どもながらにも、芸能界でどうやったら生き残れるかを常に考えていて、「売り出すなら今だ!」と思ってたんですよね。

 

この子はやめていく、この子は残るとか、見えてくるんです

――『あっぱれ』に出られていたのは10歳からの約3年間。ちょうど思春期真っ盛りじゃないですか。その時期にああいうキャラをこなせたというのはすごいですね。

加藤 藤井隆さんへのあこがれが強かったですから。あと、女の子と遊ぶことの方が多かったから、なんとなく立ち居振る舞いが女子的だったんです。さんまさんもそこをツッコんでくるから、そうか、これが面白いんだと思って。さんまさんの番組の中でも、この子はやめていく、この子は残るとか、見えてくるんです。それで「残るぞ、残るぞ」っていう気持ちは強かったかもしれない。

 

―― 子ども時代とはいえ、シビアな世界ですよね。

加藤 お母さんたちもすごく必死。この時にこう返す、この時にはこう返すとか、そういうのをシミュレーションして楽屋で母子練習したりしてて。そういうのを見ると、「うわ~、何この世界?」ってちょっと思いましたね。

―― 加藤さんの親御さんはそういうところはなかったんですか?

加藤 一瞬あったんです。『あっぱれ』の収録で、歌をアカペラで歌ってくださいって言われてたのに、僕は歌わなかったんです。そうしたら、親が「なんで歌わないの!」みたいに激怒。頭に来たので「周りに影響されてる!」って親を叱りました。