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「恥ずかしいと思っていたので…」話せずに後悔していること
大友さんもかつては鬱になり、自殺未遂をしている。その経験は話さなかったのか。
「話しませんでした。彼が親の話をして顔を曇らせたときに、もし恥ずかしいことと思わなければ、『実は、半年前、僕は自殺未遂した』という話もしたと思うんです。そうしたら、加藤も『自分の親にこういう教育を受けた……』みたいな展開になっていた可能性はあるんじゃないかと思っています。もちろん、それでも黙っていたかもしれないですけどね。
でも、少なくとも(話してくれる)可能性はあったかな。当時は『死んでしまいたい』と考えたことは恥ずかしいと思っていたので話せなかったですね。そこは唯一、後悔です」
大友さんは、加藤との関係を考えることで、今の人間関係を見直している。
「加害者がいなければ、被害者もいない。加害者がうまれないようにするにはどうすればいいか考えています。振り返ってみると、キーポイントは自分の過去を話せなかったこと。(SNSで情報を発信する中で)DMをくれる人もいる。『消えてしまいたい』というメッセージもあります。上っ面なことを言っても響かないので、自分が見てきたこと聞いてきたことを伝えて、その人が何か感じてくれたらいいなと」