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大阪ビル放火25人死亡、京王線のジョーカー、小田急“無差別”刺傷…元捜査一課刑事が明かす「2021年凶悪事件の驚くべき“類似点”」増加する「いきなり型」犯罪の“真の怖さ”とは?

2021/12/21

genre : ニュース, 社会

 2021年はショッキングな事件が頻発し、治安の悪化を感じる人が増えている。

 8月6日に小田急線の快速急行車内で起きた無差別刺傷事件で10人が重軽傷を負った記憶もさめやらぬ10月31日には「小田急線の事件を参考にした」と京王線の特急電車内で“ジョーカー”無差別刺傷事件が発生し、またも18人が重軽傷を負った。

 10月12日には19歳の少年が山梨の甲府で、自分をふった少女の両親を殺害し家に放火する事件が起き、11月26日には大阪で中学2年生の女子生徒が商業施設の屋上から買い物用カートを約20メートル下の地上に落とし、殺人未遂の疑いで逮捕されている。12月17日には、大阪・北新地で少なくとも25人が死亡するビル放火事件が起きている。

甲府の夫婦殺害放火事件で燃え落ちた現場 ©時事通信社

 無差別、そして未成年というキーワードが浮かんでくる。

「凶悪事件の件数自体は減っているが、今年の事件は“質的”におかしい」と語るのは、元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課の佐々木成三氏だ。一体日本で何が起きているのだろうか。

——2021年の後半は電車内での無差別殺傷など、恐怖をかきたてる事件が多くありました。

佐々木 複数の無差別刺傷事件などの要因を深く考えていくと、象徴的なものとして新宿・歌舞伎町での「トー横事件」にたどり着くのではないかと思っています。11月27日に新宿・歌舞伎町のビル屋上で起きた傷害致死事件で、容疑者たちを総称した「トー横キッズ」という言葉が話題になりました。

京王線で無差別刺傷事件を起こした服部恭太容疑者 ツイッターより

「いきなりやる」「やると決めたら最後までやる」

——「トー横キッズ」はグループ的な存在で、無差別刺傷などの“孤独”なイメージが強い犯罪とは異なるようにも見えます。

佐々木 共通点は、普段の生活では承認欲求や所属欲求を満たされない、自分の居場所のない子供たちだということです。「トー横キッズ」の少なくとも一部が、逸脱行為が仲間の証になってしまう問題の多いコミュニティであることは間違いない。でもそこが、若者にとってやっと見つけた“居場所”という可能性もある。トー横のようなコミュニティでも自分を理解してくれる人が自分の居場所となるが、そのようなコミュニティに属せない人が、孤独と社会への憎悪を募らせて無差別の事件を起こしているような気がするんです。

——社会が取りこぼした子供たち、ということですね。

佐々木 もう1つ怖いと思っているのが、「いきなりやる」「やると決めたら最後までやる」という点です。