「返せんヤツは腹切って腎臓を売るしかないやろ。身を切る返済や。マニラに行って、片っ方の腎臓を取り出して、ほしがってるヤツに高く売るんや」
闇金ビジネスで財をなし、臓器売買にも関与していたといわれる杉山治夫。とにかく金に執着した男の最期とは――。長年、報道カメラマンとして活躍する橋本昇氏の新刊『追想の現場』(鉄人社/高木瑞穂編)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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恐るべき取り立て方法
「借金を返せん奴には24時間追い込みをかけたな。おっさんが電話の向こうでおいおい泣くんや。俺は相手の鼓膜がおかしくなるまで怒鳴り散らした。相手の家にカチコミかけてボコボコにしたこともあるな。
それでも返せんヤツは腹切って腎臓を売るしかないやろ。身を切る返済や。マニラに行って、片っ方の腎臓を取り出して、ほしがってるヤツに高く売るんや」
彼は「全国腎臓移植協力会」という怪しげな協会をでっちあげていた──。
杉山の内面を覗く気もないが、この取材から半年後にたまたま新宿の通りですれ違った杉山氏は、どこか生気の抜けたような顔をしていた。取材時のハイテンションは、彼独特のはったりだったのかもしれない。
杉山はその後、2002年に詐欺罪で逮捕され、懲役7年6か月の実刑判決を受けた。そして収監された獄中で2009年に病死したという。まさに阿修羅のような人生──その享年は71歳だった。

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