40代の先輩たちは今よりもさらにブラックな環境で生き抜いてきた猛者たちです。そんな大先輩に尊敬の念も抱いていますが、一生孤独に生きつづける人生は回避したいです。
僕が仕事で関わっている人たちもバイタリティがあって、広告の仕事を通して何か面白いことをしてやろうという熱い思いを持っていて、何か自己実現をしたいと考えている人たちがとても多いと感じます。
中には仕事の枠を超えて、個人でクリエイティブな活動をしている人たちもいます。
僕も今までの人生でそういった方々が身近にいたので、そんな人たちから影響を受けていたのかもしれません。
「地獄の数珠つなぎ」で成り立つ業界
そんなバイタリティのある先輩方と仕事をしていると、その人たちの働き方に合わせて自分も無茶をしなければいけない場面が頻繁に発生します。
定時後も時間関係なくビデオ会議があり、金曜に打ち合わせをして月曜に提出という労働基準法など無視した働き方になります。
そんな無茶な依頼でも我々社畜に拒否権はありません。当然上司もその働き方を黙認し、広告業界全体がこの働き方に関しては仕方ないという空気になっています。
もしも、この働き方が嫌で仕事を断ろうものなら、やる気がない奴というレッテルを貼られ、その人に良い仕事が回ってくることはなくなり、日々小さな業務を淡々とこなすだけの機械となりはてます。
そのため、みんな嘘でもやる気のあるふりをして、広告代理店の無茶な要望に応え、従順な犬のように尻尾を振って媚を売ります。そして、広告代理店も同じようにクライアントに媚を売り、仕事を獲得するために必死になります。
このような「地獄の数珠つなぎ」によって、広告業界の仕事は成り立っています。
きっと皆、土日は休みたいですし、平日も定時退社してアフターファイブを楽しみたいはずです。しかし、そんな価値観を職場で吐露するなんてご法度です。
皆、心の底では、休みたいと思っていますが、言ってしまうと仕事を失うので、易々とは言えない状況にあります。そのため見かけは仕事好きな人でも、無理して働いている人もいます。