YouTube活動をしている理由のひとつとして、華やかな世界と幻想を持っている人に現状を伝えたいという思いもあります。
なぜ広告業界はブラックな働き方になるのかというと、いくつか要因があります。
YouTubeでも語ったりしていますが、まだまだ話し足りないことが大量にあるので、本稿で思う存分語ろうと思います。
エピソードを書いていく中で、「広告業界は良くない」という視点に寄ってしまっていますが、自分としてはその状況も受け入れています。ただ、変えていかなくてはいけないという気持ちはあります。
理由のひとつが「0か100かのコンペ形式」
ブラックな働き方になる理由のひとつとして、広告の仕事は「場所の奪い合い」というのが大きいです。競争は広告業界だけではないでしょうが、ほかの業界の話を聞いていても、広告業界のあり方は良くないと感じます。
世の中には複数の広告代理店があり、各社クライアントから仕事を依頼されて広告を制作しています。
その中にはコンペ形式の案件もあります。コンペとは、企業が広告代理店にオリエンテーションをし、広告の企画を募ります。
お題を受けた広告代理店は、企画をして、それにまつわる広告のデザインなどを広告制作会社やデザイン事務所に発注します。
そして広告代理店は出来上がった企画をクライアントにプレゼンします。プレゼンを受けたクライアントは各社からの企画を比較検討し、ベストなもの1案を採用します。
そうして獲得した広告代理店に正式にその案件を発注します。ここまでしてようやくひとつの案件を獲得することができます。
1カ月間、人権を失うが如く働きつづける
コンペ形式ではなく、指名の決まり仕事もありますが、そういう仕事は規模も小さく、仮にやっていても現状維持で面白いこともしづらい傾向にあります。そういう仕事をしていても社内的な評価も上がらないため、みんな意地でも新規開拓しようと日々勤しんでいます。
我々デザイン事務所は仕事をもらえるだけありがたいのですが、やっかいなことにコンペ案件はスケジュールがとてもタイトです。