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早朝から東京五輪に見入り…紅粉さんの晩年

 帰国後、紅粉さんは家族との再会を喜んだのも束の間、鬼気迫る表情で「孫を一人で遊びに行かせるな」と伝えたという。記者会見でスパイ容疑について尋ねられた紅粉さんは、「神様だけが知っている」と答えるしかなかった。

 2016年、妻の峰子さんが92歳で亡くなった時には大泣きに泣き、しばらく調子を崩した。3年ほど前に福祉施設に入所。他の入所者のお見舞いをするなどして職員からも感謝される人柄だった。また、紅粉さんは東京五輪を楽しみにしていて、大会中は早朝の競技に食事そっちのけで見入っていたという。

自宅のある神戸市で会見する紅粉船長と峰子夫人 ©時事通信社

 紅粉さんの死は、本人の希望で近隣住民やキリスト教会関係者にも伝えられず、親族のみで家族葬が執り行われた。

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 6月14日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」及び6月15日(木)発売の「週刊文春」では、紅粉さんの壮絶な獄中生活や晩年の暮らしぶり、亡くなる前の「最期の言葉」などについて報じる。また「週刊文春 電子版」ではロングバージョンのオリジナル記事を配信する。

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