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男女雇用機会均等法第一世代が迎える“定年” 「入社前に聞かれた洋服のサイズ」「外回りでも女性だけ帰社してゴミ集め」

男女雇用機会均等法第一世代が迎える“定年” 「入社前に聞かれた洋服のサイズ」「外回りでも女性だけ帰社してゴミ集め」

2023/06/20
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役員にまで昇進したのは稀なケース

 男性は実力社会ではなく、立ち回りがうまいほうが出世する。派閥に入らなければならないし、その派閥の上司に誘われたら日曜日のゴルフも正月休みのマージャンも断れない。私は断るタイプなので、もし男だったら定年までヒラ社員だったでしょう。

 むしろ女性こそが実力社会です。取り立てられた以上は結果を出さなければならない。それができなければ『だから女は~』と言われてしまいますから」

 ただし、女性にはガラスの天井があった。

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「昇進しても執行役員止まりで、取締役、事業本部長、本店店長といった会社の意思決定をするボードメンバーにはなれないんです。メンバーは派閥内から選び、派閥は男性だけで形成されるボーイズクラブですから、女性がメンバー入りできるはずがありません」

 中畑さんのように均等法1期生で役員にまで昇進したのは、実は稀なケースだ。そもそも日本は女性管理職が少ない。『女性活躍に関する基礎データ』(2022年、内閣府)によれば、管理職の女性比率は欧米諸国が概ね30~40%台なのに対して日本は13.2%。上場企業の役員の女性比率は7.5%にすぎない。

『労働力調査』(総務省統計局、2023年5月)によると、男女雇用機会均等法の下、現在働く女性は3052万人。そのうち1419万人が非正規雇用で働いている。男性は3689万人が働き、非正規雇用の数は645万人で、女性とは大きな差がある。

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男女雇用機会均等法が妥協の産物として産まれた経緯や、均等法第一世代が「管理職になりたくない」という女性の声に思うこと、現在、日本企業の5社に1社が退職金制度を導入していない中で迎えるリタイアなど、ルポの全文は『週刊文春WOMAN2023夏号』でお読みいただけます。

こみねあつこ/ライター&エディター。シンクタンクの広報・研究報告書の編集に携わった後、『週刊現代』、『文藝春秋』の記者を経て、現在はフリーランスの立場で多ジャンルを取材する。

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