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 男は岐阜県内の出身で、古びた住宅が立ち並ぶ一角に実家がある。すぐそばには田んぼが広がり、近くの牛舎から堆肥の臭いが漂ってくる。

 木造2階建ての一軒家は、壁面の赤い塗装がところどころ剥がれ、塀からは伸びた雑草がのぞいている。全ての窓のカーテンが閉められ、人の気配はない。

岐阜にある容疑者男性の実家 ©文藝春秋

近隣の女性が話す。

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「容疑者の家族は10年ほど前に引っ越してきました。近所付き合いをほとんどしない家族で、地域のゴミ拾い運動などにも参加したところを見た記憶がありません。容疑者の父親はトラックのドライバーをやっていたようで、土手の近くにトラックを停めて、弁当を持って歩いている姿を数年前まではよく見かけました。

 容疑者は兄弟が多くて、一番上のお姉ちゃんが授業がある時間に近所をぶらついていたり、男の子も学校に遅刻しているのをよく見かけました」

※6月19日12時18分、「お母さんは東南アジアの方で、引っ越してきた当時は日本語が喋れませんでした」の記述を削除いたしました。これは事実確認の不足による誤った記述であり、お詫びして訂正いたします。

小学校の卒業アルバムでは笑顔の生徒が多い中、むすっとした表情で収まっている

「挨拶しても返事をしてくれなくなりました」

 別の近隣の高齢女性も口を揃える。

「あまり近所付き合いがない家庭でしたが、今回逮捕された容疑者は小さい頃は活発な子で、挨拶もしてくれたんですよ。でも数年すると挨拶しても返事をしてくれなくなりました。集団登校ではなく、1人で登校することも何度も見かけました。何か問題を抱えているのかなと思ってはいましたが、こんな事件を起こすことになるなんて……」

 小学校、中学校と同級生だった近隣に住む男性は、少し印象が違うようだ。

「小学校3年生の時に転校してきて、よく遊ぶ友達でした。活発でヤンチャな奴で、蜂の巣をつついたりして遊んでいました。人に暴力を振るったりするところは見た記憶はないですね。

 とにかく運動神経が抜群で、走るのは速かったですね。サッカーも上手くて、体育や運動会では大活躍でした。勉強は目立つタイプではなくて、積極的に手を挙げることもなかったと思います。6人兄弟の上から3番目。家に遊びに行ったことがありますが、少し散らかってるなと思った以外は普通の家庭ですよ」