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いや、岸田首相は無警戒というのはやさしく言い過ぎた。無警戒ではなく適当と言ったほうがよいかも。適当さは政策までつながる。
あらゆる政策を「先送り」
象徴的な日が先週の6月13日だった。朝刊を見てみると、
『防衛増税「25年以降に」骨太の方針 先送り示唆へ』(読売新聞6月13日)
と「先送り」がキーワードになっていた。さらに来年の総裁選までに衆院選で勝利して再選を確実にするために「できる限り新たな負担論議は先送りしたい考えだ」とも(読売新聞・同)。
「先送り」は防衛増税だけでなく他の政策でもそうだ。GX(脱炭素化)投資、少子化対策も同じ。
しかしである。首相本人はその夜の会見で「岸田政権は先送りされてきた困難な課題の一つに答えを出していくことが使命だと覚悟して政権運営をしてきた」と語っていたのである。えっ! まるで反対のことを言っている。もしかして岸田首相って2人いるのだろうか。
あらためて適当さを考えてしまう記事があった。
『3.5兆円 でも「実質負担ゼロ」 少子化対策 財源は先送り』(朝日新聞6月14日)
《「異次元の少子化対策」の具体策を盛り込んだこども未来戦略方針は、児童手当の拡充や給付型奨学金の対象拡大などの政策がずらりと並ぶ一方で、財源については具体的な議論を先送りした。》
長男・翔太郎氏の失態をカバー?
この記事の途中に見逃せない部分がある。「首相主導」だったという予算積み増しについて。これは次期衆院選も見据えて政権への逆風を和らげる意図も透けるという。なぜなら、