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長寿アスリートに学べ オリックスも「長く」使えるチームスキルを

文春野球コラム オープン戦2018

2018/03/01
note

高いチームスキルが身に付くその日まで

 アスリート達が持って生まれた類稀なるフィジカル的アドバンテージ。どうもそれを「高く」使う時代から「長く」使う時代へ移行しているようだ。以前は他者を圧倒する為にその多くを使用していたフィジカル的アドバンテージであるが、今では自身のスポーツスキルを支え続ける為に使う頻度が増しているように思うのだ。そう考えるとイチロー選手が辿り着いた「ビルドアップの為のフィジカルトレーニングではなく、長い現状維持の為のフィジカルトレーニング」なる物も一つの真理と言える。テニスの錦織圭選手が、東洋人のフィジカル的ピークを見据え26歳を目処にスキルの向上を目指したというのも頷ける話だ。

 そしてそれは、オリックス・バファローズというひとつのチームを捉えても同じ事が言えるのではないだろうか。山岡泰輔投手や吉田正尚選手、若月健矢選手といった若い選手の台頭、田嶋大樹投手やK-鈴木投手といった新戦力。彼らに高いスキルが身に付くその日まで、T-岡田選手、金子千尋投手にはまだまだチームを牽引して貰う必要がある。

春季キャンプで練習中のエース・金子千尋 ©時事通信社

 オリックス・バファローズが高いチームスキルを武器にパ・リーグ、いやNPBの地位を不動のものとするその日まで、ベテラン選手から若手選手まで長くしのぎを削り合い、長い長い黄金時代を迎えて欲しいと願っている。野球のチームスキルもまた「高く」使う時代から「長く」使う時代へ。やや自虐的ではあるが、そう考えると優勝まで22年も待っているのもピークを見据えての事なんだろうか、あぁきっとそうなんだろう……。いや、そろそろ優勝してくれてもいいんだよ、本当。

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