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オリックス・森友哉が離脱…でも大丈夫 “中嶋監督とその仲間たち“への信頼があるから描ける未来予想図

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/07/06
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 話題のエスコンフィールド北海道に行ってきた。十勝在住の友人の農家さんが招待してくれたのだ。ブルペンを真横で見られる夢のような外野席で、しかも試合後は球場敷地内のコテージでBBQ&焚き火をしながら宿泊するゴールデンプランだ。

「そらとしば」のクラフトビールは信じられないくらい美味しかった。シャウエッセンを使ったホットドッグも素晴らしかった。友人が用意してくれた道産のお肉&野菜も衝撃の旨さだった。そして僕がブルペンの真横に陣取った7月1日(土)はまさかのブルペンデーでコットン、本田仁海、小木田敦也、阿部翔太、山﨑颯一郎、平野佳寿という豪華メンバーを間近で見ることが出来た上に試合は勝利。エスコンフィールド北海道の天然芝はどこまでも美しくてまた必ず来ようと心に誓った一日となった。

 と、そこまでは良かったのだが、この試合で我らがオリックス・バファローズの頼れる主砲・森友哉がまさかの負傷離脱。オリックスファンにとってあまりに痛い悲報となってしまった。

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森友哉 ©時事通信社

毎年恒例のような「大黒柱不在の緊急事態」

 今年からチームに加わった森友哉の存在感は別格だった。主に3番か4番にどっしりと座り、強烈なフルスイングで相手投手を威圧し、恐るべき勝負強さで試合を決め、走塁下手なオリックス野手陣の中ではずば抜けた走塁センスで塁上を駆け抜けてきた。その得意の走塁で負傷離脱とはなんという悲劇であろうか。僕自身も一瞬目の前が真っ暗になったのは間違いない。

 だが中嶋オリックスにとって「大黒柱不在の緊急事態」は毎年恒例のお約束のようなものだ。極めて薄い野手陣の選手層ではあるが、中嶋聡監督の「最善の一手」を打ち続ける名将のセンスとそれに応える選手たちの全員野球により様々な「悪夢」を乗り越えてきた。それこそがリーグ2連覇の原動力だったはずだ。

 ファンは皆それを知っている。なので2021年終盤に吉田正尚が死球による骨折で長期離脱した時の絶望感からすれば今回の森友哉の離脱はそれほどファンを絶望させていないような気がするのだ。いや、もちろん唯一無二の存在感を放つ森友哉には一日でも早い復活を願っているし何より僕は森の大ファンだ。様々なタイトルを狙えたし試合を観戦していて森の打席は見ているだけでワクワクさせてくれる珠玉のエンターテインメントだったので痛恨の極みであることは間違いない。だが、森の離脱を報道で確認した僕が真っ先にしたことは選手名鑑を開くことだった。そして脳内の妄想スイッチをONにする。

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