とどまることを知らない未来予想図
「二軍で打率を一気に上げてきた池田陵真が出てくるかもしれない。昨年も大物打ちを決めてくれた勝負根性があるし、一気にブレイクするかもしれん」
「いやいや、6月に二軍で打ちまくってる来田涼斗が一軍昇格してついにチャンスを掴むかもしれないな」
「ちょっと待てよ。前回の一軍昇格時は明らかに力みすぎてたセデーニョが森の不在で毎試合スタメンで出られるようになれば落ち着いて打席に入って舞洲と同じような活躍ができるようになるかもしれない」
「いや、ここはやはりT-岡田の出番じゃないのか。大阪桐蔭の穴を履正社が埋める。うんうん、それもいいぞ」
「それより、ついに覚醒しつつある紅林弘太郎が3割15本くらい打つかもしれないな」
「そういえばどこ行った太田椋?」
「何してるんだシュウィンデル?」
「舞洲の打撃を一軍で見せてくれよ野口智哉」
などなど、とどまることを知らない様々な未来予想図が脳内に展開されてしまうのだ。
要するに「中嶋監督とその仲間たち」への絶対的な信頼感が揺るがないので「何とかしてくれるはず」と思ってしまうのだ。そしてその何とかしてくれる選手が誰なのかを想像するのが楽しくて仕方ない。こうなったら野球観戦は最高ですよ。ええ、それはもう。
そして翌日7月2日(日)にT-岡田が一軍昇格。やはり中嶋監督は最速で最善手を打ってくる。試合には敗れたが、森に代わって3番DHで出場したセデーニョが2安打、T-岡田は代打タイムリーの活躍。4日(火)に昇格した池田陵真が即スタメンで1安打1四球。セデーニョが2安打1本塁打3打点。頓宮の大爆発もあり打線は9得点を挙げた。
ペナントレースはちょうど折り返し地点。まだまだ戦いは続くしライバルはとんでもない選手層を誇る大帝国だ。でも我らがオリックスには「中嶋監督とその仲間たち」がいる。森友哉の復帰がいつになるのかわからないが、きっと今回もオリックスは大丈夫だ。だから森にはしっかり怪我を治して万全の状態で帰ってきてほしい。その時にはさらに逞しさを増したチームメイトたちが出迎えてくれるはずだ。そうやって今年も中嶋オリックスは階段を一つずつ上がっていくのだと思う。その先にある栄冠を信じて。
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