プロ野球は交流戦を終え、6月23日から同一リーグ同士の対戦を再開した。セ・リーグ1位の阪神は敵地の横浜スタジアムで2位DeNAとの首位攻防3連戦で3連敗を喫し、首位を明け渡すことになった。
DeNAに最大6・5ゲーム差をつけておきながら夏本番を前にしての失速に、不吉な予兆との声が多方面から聞こえてくる。NPB球団元監督は「監督の発言が失言となり、阪神は(歴史的V逸と言われる)2008年のシーズンを繰り返すことになるのではないか」と、巨人に13ゲーム差をひっくり返された悪夢の再現を指摘した。そのワケとはーー。
岡田発言にDeNA選手の士気がアップ
「時間が長いよな。イベントの。ちょっと拍子抜けするよな。何か野球に関係ないイベントばっかりしてるやろ。言うとけよ、横浜に」
DeNA3連戦の前日の22日、横浜スタジアムでの同カードに10連敗中だった岡田彰布監督(65)が、同球場で試合前やイニング間に実施されるファンサービスに苦言を呈したことが波紋を広げた。
この発言を受け、敵将の三浦大輔監督(49)は「それは球団が、でしょ」と話すにとどめ、大人の対応に終始した。表向きは自軍への“口撃”ではないと取り合わなかったのだが、チームの内実は違った。DeNAのさるベテランコーチが明かす。
勝っていないからって言いがかりも甚だしい
「ここ(横浜)で勝っていないからって言いがかりも甚だしい。球団に対して言ったのだろうが、気分が良いものではなかった。優勝した交流戦後の相手がいきなり阪神で、もともと高かった選手の士気はさらに上がった。ファンの応援の熱量もそうなったのではないか」
2連敗後に、囲み取材に応じなかった岡田監督は追いすがる番記者に、去り際「イベントの記事からおかしくなった」と失言だったことを事実上、認めるしかなかった。3戦目も落とし、開幕カードで3連勝した今季のDeNA戦は6勝5敗とほぼ五分に。優勝を争っていくライバルへの優位性は消え、05年以来の悲願のリーグ制覇に、にわかに暗雲が垂れ込めてきた。