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「口は災いのもと」を熟知していた落合監督
その後、和田豊監督時代の12年にも、金本知憲が甲子園でのDeNA戦で行われた引退試合後のセレモニーの挨拶でDeNA選手に対し「今年、中畑(清)新監督を迎え、チームの雰囲気も変わり、常に注目されるチームになりました。しかし、一番目立っているのは監督でした。選手より監督が目立つようでは駄目だと思います。日本球界のためにも、何とか来年、意地を見せて優勝争い、期待しています」と語りかけた。
「鉄人」に敬意を表し、セレモニーまで居残った相手選手に不要だったこの発言もDeNAの選手たちの発憤材料になったという。阪神戦は10勝11敗3分けだった12年から一転、翌13年は14勝10敗と勝ち越し、まさに意地を示す形になった。
阪神以外でも言葉には気を付けないといけない
古くは1989年の日本シリーズで、近鉄が巨人相手に開幕から3連勝。日本一へ王手をかけた試合で勝ち投手になった近鉄の加藤哲郎が「ロッテより弱い」と発言したとされることを境に4連敗を喫し、目前で頂点を逃した。
「中日時代の落合(博満)監督は他球団のことへの言及は慎重すぎるほど神経を使っていた。3連戦で2勝1敗なら優勝、1勝2敗なら最下位という実力伯仲のプロの世界で、口は災いのもとであることをよく知っていた。わずかでも相手を刺激する可能性がある発言は控えるに越したことはない。うちも久しぶり(1998年以来)の優勝を狙っていくわけだから阪神以外でも言葉には気を付けないといけない」
と、前出のDeNAコーチは岡田監督の発言を他山の石と受け止めていた。