理不尽な言動で周囲を振り回す厄介な人。そうした“アホ”との付き合い方を綴った田村耕太郎氏のベストセラー『頭に来てもアホとは戦うな』に続く新作、『頭に来てもアホとは戦うな!賢者の反撃』(朝日新聞出版)が今年4月に発売された。ここでは、同書より一部を抜粋して紹介する。(全2回の2回目/1回目から続く)

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日本にはびこる間違った完璧主義

 日本人の多くは、お互いに完璧を求めすぎだ。「時間」や「ぶれなさ」をはじめ、様々なことに対して完璧でいようとする。

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 それなのに、“完璧”の方向性が間違っているから厄介だ。例えば、「時間」の使い方。日本人はアポイントの時間を非常に気にするのに、時間の使い方はルーズで、他人の時間をなんとも思っていない。日本人が大切にする「一貫性」についても、誤解されている。この激変の時代、時には「朝令暮改」というより「朝令朝改」が必要な時もあることに気づいていない。さらに、労働者に対しても、世界的に見れば非常に安い時給で人をこき使いながら、「情熱」とか「態度」などの非数値的根拠で評価し、付加価値を生み出すことにつながらない完璧さを求めているのだ。だから、やたら労働時間がかかる割に生産性は低く、賃金も増えない。

 こうした誤った完璧さが成立したのは、日本に「同調圧力」があるからだ。世界に類を見ない独自性は長所として世界に通用していたが、これからの多様性が求められる時代には強烈な短所になってくると思う。

スケジュール調整なども自分でやった方がいい

 かくいう私も同じような価値観を持っていたが、日本にいる時間がかなり減って変わることができた。寛容さとリスペクトを身につけたのだ。