理不尽な言動で周囲を振り回す厄介な人。そうした“アホ”との付き合い方を綴った田村耕太郎氏のベストセラー『頭に来てもアホとは戦うな』に続く新作、『頭に来てもアホとは戦うな!賢者の反撃』(朝日新聞出版)が今年4月に発売された。ここでは、同書より一部を抜粋して紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く)

写真はイメージです ©iStock.com

◆◆◆

アホにこき使われないためには?

 相手を都合よくこき使ってくる、リスペクトのないアホも少なくない。「都合がいい」とは「(自分のために)利用しがいがある」ということだ。

ADVERTISEMENT

 日本では、誠実さや従順さが良しとされるが、それはあくまで利用者からみた使い勝手の良さを下々に叩き込むための仕組みである。都合のいい存在から脱却するためには、ここに気がつくことが大切だ。

 ただ、敵をつくったりするのは愚かなことなので、あくまで表面上は友好的に、しかし無駄に利用されないことが必要となる。そのためには「陰で努力しない」ことだ。手柄は手柄として理解されるように、「表に出す」必要がある。一番大事な評価者にはもちろん、その周りにも「自分が始めて、そしてできたことだ」と手柄になる過程を全て公開してシェアすることだと覚えておこう。

 成果が出たあとで手柄として公表したら嫌な奴になりかねないため、最初からさりげなく「自分がやっています」とアピールしておくとよい。自分の貢献状況を皆にシェアするのは、早ければ早いほど自然だ。

お人好しは最終的に利用される

 具体的な方法としては、「今、こんなことをしているんですよ」「自分なりにこんな工夫を考えています」などと、ニコニコと自然に頑張りを周囲に伝えていくことだ。こうした方法なら、謙虚な人でもしやすいだろう。

 せっかく仕事を引き受けたのに、隠れて努力をしたために手柄をとられて、モヤモヤを抱えながらそれでも笑顔でいるなんて、あまりに悔しいことだ。 あなたの努力が理解されれば、評価につながり大きなチャンスが与えられる可能性もあるし、何より最終的に気分が悪くなることはない。

 苦しい思いを抱えながらも、ニコニコとできるのは最強の武器だ。それをアピールに活かしていこう。大事なのは、努力を表に見せるということを「格好悪い」などと思わないこと。見せていないとずるい人に利用されてしまうだけなのだから。

 お人好しはもうやめよう。あとで後悔する。最終的に利用されて、苦しくなっているのが何よりの証拠だ。