6月27日、警視庁は母親の自殺を手助けした自殺幇助の疑いで、歌舞伎俳優・市川猿之助(本名:喜熨斗孝彦)容疑者を逮捕した。松竹と所属する芸能事務所「ケイファクトリー」は、それぞれ公式サイトでコメント発表。逮捕に至ったことについて「重く受け止めております」と謝罪している。
事件が起こったのは5月18日。猿之助とその両親が東京都目黒区の自宅で倒れているのをマネージャーが発見し、のちに両親は死亡が確認された。死因は向精神薬中毒とみられ、遺体に目立った外傷はなかったという。歌舞伎界のスターとして人気を確立していた猿之助。本人とその両親に一体何があったのか。事件前夜に開かれた“家族会議”の内容などを報じた「週刊文春」のスクープ速報を再公開する。
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歌舞伎俳優の市川猿之助(47)と両親が5月18日、東京都目黒区の自宅で倒れているのが見つかり、両親が死亡した事件。警視庁捜査一課は19日、司法解剖の結果、父親で歌舞伎俳優の市川段四郎さん(76)と母親の喜熨斗延子(きのしのぶこ)さん(75)の死因は、いずれも向精神薬中毒とみられると発表した。
「全員で死のう。生きる意味がない。」
「両親の遺体に目立った外傷はなく、捜査当局は一家が心中を図ったと見ています」(社会部記者)
警察の聴取に対し、「死んで生まれ変わろうと家族で話し、両親が睡眠薬を飲んだ」と語っている猿之助だが、捜査関係者は「刑法第202条の自殺幇助罪は免れない」とみている。
いったいなぜか。複数の捜査関係者の話をもとに、事件前後の猿之助の行動をたどる。
5月17日夜8時、リビングに集まった親子3人は猿之助が振る舞った蕎麦を黙々と口に運んだ。その後の“家族会議”で決まったのは、この食事が最後の晩餐になるということだった。
猿之助は両親にこう提案した。
「週刊誌にあることないこと書かれ、もう駄目だ。すべてが虚しくなった。全員で死のう。生きる意味がない。寝ている間に死ぬのが一番楽だろう」