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「猿之助容疑者の供述によれば、亡くなった両親は致死量とはほど遠い量の薬を服用していたので、検察としてはビニール袋を被せたことが死期を早めた一因となり得るかどうかについて検討したかったとみられます。

 ただこう着状態が続くなか、検察もこの点が立証できなかったとしても、司法解剖の結果で死因が“向精神薬中毒”と出ている以上、罪に問えると考えた末にゴーサインを出しました。その後、公判維持のために、慎重に捜査を進めるよう警視庁へと指示がありました」(同前)

猿之助 ©文藝春秋

病気を患っていた段四郎さんが本当に自ら判断したうえで自殺の意思を示したのか?

 自殺ほう助罪の法定刑は6カ月以上7年以下の懲役または禁錮である。執行猶予がつくことも多いが、悪質だと認定されれば実刑の可能性も出てくる。

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「当局としては、実刑も目指すという姿勢で挑んでいます。自らのスキャンダルで、両親を死なせたことは自分勝手と言わざるをえない。両親には何の落ち度もないわけですから。今回は、延子さんに対する自殺ほう助の疑いで逮捕しましたが、今後は父親の段四郎さんの件についても詳しく調べる方針です。段四郎さんは肝臓がんステージ4で認知症を患っていたとも言われているため、本当に自ら判断したうえで自殺の意思を示したのかが今後の焦点となるでしょう」(同前)

 一連の騒動で、映画や舞台の公開延期や役者交代なども相次ぐ “猿之助ショック”。長年の歌舞伎ファンである60代女性はこう肩を落とした。

「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」のチラシ

「ここまで来てしまったら、事件の日何があったのかつまびらかに知りたいです。猿之助さんも遺書に書いていた相手にも裏切られて、両親を亡くし、大好きな仕事もなくなってものすごく辛いはずです。でも、あの日に何があったのかしっかりと話し、罪に向き合って欲しいです」

 多くの謎が残る “猿之助一家心中事件”の捜査は次のステージに移った。しかし、一家のみぞ知る真相を立証するのは極めて難しい。

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