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睡眠導入剤のサイレースと微量のレンドルミンを服用したことによる “向精神薬中毒”の疑い

「猿之助容疑者の供述通り、両親の死因は、睡眠導入剤のサイレースと微量のレンドルミンを服用したことによる “向精神薬中毒”の疑いが強い、というものでした。猿之助容疑者は逮捕後の聴取にも、容疑を認めて取り調べにも素直に応じています」

 しかし、“Xデー”に至るまでにはさまざまな障壁があり、発生から1カ月以上の時間を要した。容疑者の一部の不可解な行動から、一時期は「殺人」罪の適用といった声も上がるほど捜査当局は疑念の目を向け続けたという。前出とは別の全国紙社会部記者が解説する。

“恋人”と言われるM氏とのツーショット(M氏のインスタグラムより)

なぜ睡眠薬の包装や被せたビニール袋を処分したのか

「これだけ有名な芸能人であれば逮捕といった強制捜査に踏み切らずに、任意で進めることもできたはずです。しかし、猿之助容疑者が“証拠を隠滅”していたことから当局の心証は悪かったといいます」

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 “証拠隠滅”とは、猿之助容疑者が睡眠薬の包装や、自ら被せたというビニール袋を処分していたことを指している。

「自分の処方薬を手渡したうえに、ビニール袋を両親に被せていることから自殺ほう助罪が成り立つのは自明です。ただ、心中事件で生き残った人が同罪に問われることはよくありますが、証拠はそのまま残っていることが多い。自らも死のうとしていて、隠す必要がありませんからね。

香川照之と二人で ©共同通信社

 しかし、猿之助容疑者は自宅に放置したり、家のゴミ箱に捨てるのではなく、わざわざゴミ捨て場まで持って行っている。自らも薬を服用していたものの、致死量を飲んだにもかかわらず奇跡的に助かったというよりも、最初から死ぬ気がなかったのではないかとも思えるほどの量しか飲んでいなかったようです」(同前)

 一方、早期逮捕で不可解な点も含めた事件の全容解明を目指した警視庁に対し、検察側は慎重な姿勢を崩さなかった。