「2人は付き合っていません。花華からは脅されていると聞いていました」
大阪府泉佐野市の集合住宅で5月、立花花華さん(18)が遺体となって見つかった事件。逮捕された飲食店経営・山中元稀容疑者(22)は、立花さんと「交際関係にあった」と供述していたが、立花さんの親族であるAさんはこう憤った。
そして、事件に至るまでの経緯と、警察の捜査で明らかになった犯行の全貌を悲痛な面持ちで語った――。
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大阪地検堺支部は6月9日、殺人容疑で送検された山中容疑者を傷害致死罪に切り替え、さらに、立花さんに「床についた血を全部なめ回せ」などと脅した強要罪でも起訴した。社会部記者が解説する。
殴る蹴るの暴行だけでなく、エアガンで背中を複数回撃つ
「事件が起きたのは山中容疑者の自宅アパートの一室で、5月9日に山中容疑者自らが通報したことで発覚しました。同日に傷害容疑で逮捕され、11日に殺人容疑に切り替えて送検されています。山中容疑者は当初、立花さんと前日に口論になったことで20発くらい殴ったと話す一方で、1時間くらい殴り続けたとも供述していました。
また、山中容疑者のスマートフォンには、立花さんが血だらけの状態で『髪の毛食え』などと脅され、その要求に従う動画が残っており、府警は30日に強要の疑いで再逮捕しました。動画は7日午後9時から11分にわたって撮影され、山中容疑者が『床に垂れた血や床に散らばった髪の毛を、ぞうきんを使わずに掃除しろ』などと迫るシーンもありました」
しかし、山中容疑者はこうした行為については認めたものの、殺意については否認している。
「山中容疑者は、7日に立花さんへ殴る蹴るの暴行を加えただけでなく、8日から9日にかけてエアガンで背中を複数回撃つなどしていたことがわかっています。これが“殺意”でないのなら一体何なのでしょうか。このように、山中容疑者の供述は二転三転しており、一貫性も反省の色もありません」(同前)
“罪の意識”が希薄な山中容疑者の供述や態度に対し、前出のAさんは「死人に口なしで、真っ赤な嘘ばかり。これでは花華が報われない」と語気を強くする。