Q “終身雇用が変わり…”と政府が閣議決定した「骨太の方針」ってなに?
政府が6月16日に閣議決定した「骨太の方針」について、「低成長が続く日本経済の再生に向けた改革の方向性が打ち出され、改革が進めば“終身雇用”のような日本の常識も大きく変わり……」と論評されているのをニュースで聞きました。
正直、YouTubeをみていてもSNSをみていても、自分くらいの年齢のユーザーにはかなりの数の転職サイトの広告が出るので、「どうしていまわざわざ?」という気もしたのですが、そもそもこの「骨太の方針」とはいったい、どういうものなのでしょうか?(20代・男性・会社員)
A そもそも22年も前のネーミングセンスですから…
そもそも今から22年前に始まったものですから、若い人にはピンと来ないネーミングですよね。その通称を惰性で使い続けているから、こういう質問が出るのです。
正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」といいます。小泉純一郎内閣時代の2001年度に始まりました。それまでの政府の方針は、霞が関の各官庁がバラバラに立案しているという批判があったことから、小泉内閣の前の森喜朗内閣時代に「官邸主導」を示すために首相が議長を務める「経済財政諮問会議」を設立し、翌年度の予算編成の方向性を示すことになりました。
毎年6月に方針を作り、各省庁は、この方針にもとづいて夏頃に予算案を策定することになっています。
この会議ができた当初、かつて総理大臣まで務めた宮澤喜一氏が異例の財務大臣に就任していて、この方針のことを「骨太」と自画自賛したことから「骨太の方針」という通称が誕生しました。
政府の自画自賛の通称を漫然と使い続けていていいのか、という批判も出そうですね。