Q 「カルテル問題」って私たちに関係ありますか?
「大手電力会社の関西電力など5社が、利益を確保するために、互いに競争を制限するカルテルを結んでいた問題で、7月14日に経済産業省が業務改善命令を出した」というニュースがありました。過去にも損保会社間などで、「カルテル問題」という言葉を耳にしたことがありますが……。
そもそも「カルテル」を結ぶことにどんな問題があるのでしょうか? 企業間の問題なのかな……とあまり関心を持てないのですが、わたしたちのような消費者・顧客側に、何か不利益はあるのですか?(60代・女性・主婦)
A 健全な競争が行われていれば消費者の利益になります
カルテルとは、本来競争相手であるライバル企業と示し合わせて利益を確保しようというたくらみです。健全な競争が行われていれば、価格競争が起きて商品やサービスの値段が下がり、消費者の利益になります。
しかし、カルテルで価格を示し合わせて高く販売すれば、それだけ消費者が損害を受けます。だから健全な資本主義社会を守るためにカルテルは禁止されているのです。
ところが今回、電力会社はそれぞれの営業エリア外での電力の小売りを自粛して競争をやめようとしたのです。たとえば関西電力は、関西以外の中部電力や中国電力、九州電力管内で電力の小売りに乗り出していましたが、これを縮小したのです。これなら、それぞれの管内での電力の価格競争が行われなくなり、消費者は高い電気料金を払うしかなかったというわけなのです。