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連載池上さんに聞いてみた。

「今になって悔やむこと、それは…」池上さんが大学生の夏休みに戻ったらやりたいこと

「今になって悔やむこと、それは…」池上さんが大学生の夏休みに戻ったらやりたいこと

池上さんに聞いてみた。

2023/08/02
note

Q 60日間の自由、どう過ごすべきですか?

 現在大学2年生です。親や社会人の先輩からは「2ヶ月も休めるのは大学生の特権だから、思いっきり好きなことをした方がいいよ!」と言われますが、海外旅行などをするほどの貯金もないですし、なんだかんだゴロゴロ過ごしたり、バイトに行ったり友達と会ったり……と代り映えのない生活を送ってしまいそうです。

 池上さんがもし、大学生の夏休みに戻れたとしたら、何をしたいですか?(21歳・男性・大学生)

©iStock.com

A 今になって悔やむこと。それは……

 私の学生時代は1ドル=360円でしたから、海外旅行は夢のまた夢。夏休みは工事現場で苛酷なアルバイトをして資金を稼ぎ、日本国内を貧乏旅行していました。

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 当時は周遊券というのがあり、たとえば北海道周遊券だと、東京発で2週間近く有効で、急行列車の自由席乗り放題でした。特急列車などほとんどない時代ですよ。夏休みの北海道旅行は上野を出る夜行列車の自由席。寝台列車ではないですよ。座席は硬い固定で、無理な格好で仮眠を取りながらの長距離旅。自由席ですから、座席に座れない人は通路にごろ寝でした。歌の文句の通り、「上野発の夜行列車」で青森駅に着き、青函連絡船で函館を目指しました。

函館市の街並み ©iStock.com

 こうして学生時代は春休みや夏休みを利用して日本全国くまなく旅行していました。これが、まさに見聞を広めることになったのです。

 ただ、いまになって悔やむこと、それはもっと本を読んでおけばよかったということです。社会に出ると、読書にあてることのできる時間は限られます。もっともっと古典を読んでおけばよかったと悔やまれます。

 これが、あなたへのアドバイスです。

「今になって悔やむこと、それは…」池上さんが大学生の夏休みに戻ったらやりたいこと

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