Q そもそもなぜ、自民党と公明党は連立政権を組んでいるの?

 自民党と公明党が選挙協力関係をめぐって揉めているニュースを見ました。私の世代は物心ついた頃にはもうこの両党が連立を組んでいたのですが、そもそもなぜ、この両党は連立政権を組んでいるのでしょうか?(20代・男性・会社員)

A 「野党だった公明党」を批判していた自民党ですが…

 公明党が誕生したのは1964年のこと。日蓮正宗の信徒団体だった創価学会が政界に進出するために設立しました。仏法の理念に基づいた「大衆福祉の実現」を目標にしています。当初は野党だったのです。

1965年の第7回参議院選挙で、つぎつぎとバラを飾る公明党本部 ©️時事通信社

 創価学会は1991年に日蓮正宗の本山から破門されていますが、独自の宗教法人として活動しています。

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 野党だった公明党に対して自民党は「政教分離に反するのではないか」と批判していたこともあったのですが、1998年の参議院選挙で議席を大幅に減らすと、背に腹は代えられぬとばかり公明党に接近。

 1999年に自民党は間に自由党を挟んで公明党との連立政権が発足します。その後、自由党は連立を離脱しますが、離脱に反対した自由党議員は保守党を結成して自民党との連立を維持し、やがて自民党に合流して、現在の自公連立政権の形になります。

1999年、自自公連立に向けて協議する当時の森喜朗自民党幹事長(右)と冬柴鉄三公明党幹事長(東京・国会) ©️時事通信社

 連立を組んだ途端、自民党は「政教分離に反する」などとは言わなくなりました。

 自民党としては、選挙で勝つために創価学会の票が欲しい、公明党は創価学会の会員の要求を実現するためには与党でいた方がいい。結果、連立政権が続いています。