Q トランプ政権の圧力で『セサミストリート』が“消滅危機”に?
『セサミストリート』がトランプ政権のあおりをうけて一時番組の存続が危ぶまれていたと聞き、驚きました。「世界的人気キャラクターの子ども向け番組が、いったいなぜ?」と不思議なのですが、ご解説いただけませんでしょうか。(40代・女性・パート)
A 「偏向している」と目の敵にしてきました
『セサミストリート』といえば、NHKの教育テレビで放送され、ビッグバードやクッキーモンスター、エルモなどの人気キャラクターが生まれました。この番組はアメリカで公民権運動が高まった1969年に、移民や低所得層の子どもたちに学びの場を提供しようと始まりました。さまざまな人種や階層の子どもたちが仲良く暮らす通りが舞台です。しかしトランプ政権は、多様性を認めようという番組は「偏向している」と目の敵にしてきました。
この番組はアメリカの非営利団体が寄付金などを元に制作し、近年はワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー傘下のケーブルチャンネル「HBO」が有料配信、その後で公共放送PBSが無料で放送してきました。
ところが最近になってワーナーが契約を更新せず、トランプ政権も公共放送への補助金を打ち切ることになったため、『セサミストリート』が消滅の危機になったのです。
しかし、「セサミストリートを救え」という運動が起きた結果、ネットフリックスが配信することを決め、番組は存続できたのです。
国民から愛されても、トランプ政権は多様性を重視する番組が嫌いなのです。






