悲しみのブレークを乗り越えて「ウル虎の夏」へ
フレッシュオールスターゲームで森下翔太選手、井坪陽生選手、門別啓人投手や桐敷拓馬投手らタイガースの若手選手が活躍した晩、横田慎太郎さんが亡くなるという辛いニュースが飛び込んできました。その後、次々と同僚だった選手や関係者のみなさんのコメントが報じられ、ショックと悲しみの深さが伝わりました。それぞれの思いを胸に後半戦に臨むのでしょう。横田さん、おつかれさまでした。ありがとうございました。
夏本番、本拠地を高校球児たちに明け渡す直前は、調子を上げてきたジャイアンツ、そして優勝争いに浮上してきたカープを迎える甲子園6連戦、人呼んで「ウル虎の夏」。
2013年に始まったこのイベント、選手たちはいつもと違う風変わりなサードユニフォームに身を包んで戦います。入場した観客にも同一デザインのレプリカユニフォームが配布され、一丸となって盛り上がろうという太っ腹企画。夏休みに入った子どもたちもたくさん来場し、毎年大盛況です。
個人的に残念だった2014年のウル虎
でっかい虎の顔をあしらい「大阪のおばちゃん」と呼ばれた2021年モデルなど、毎年凝ったデザインユニで楽しませてくれます。今年は、奇妙なフォントの背番号と、それを丸く囲むような奇抜な背中が特徴です。
私にとって悪い意味で印象深いのが2014年のウル虎ユニ。甲子園球場開場90年を記念して、甲子園の芝生をイメージしたグリーンを基調としたユニフォームを採用。高卒2年目の藤浪晋太郎が、アスレチックスカラーのユニフォームを着て7者連続三振を奪う力投を見せました。すでにオリオールズに移籍しましたが、今年MLBデビューした「アスレチックス藤浪」に既視感があったのは、2014年のせいでした。
私が2014年のユニフォームを残念に思うのは、配色ではなく胸マークです。企画モノといえどもホームのユニフォーム。タイガースは1936年の球団創設以来、ホームユニの胸マークに「Tigers」と入れる時は、ずーっと同じフォントデザインのものを使ってきました。それはその後も貫かれているので、この2014年「ウル虎ユニ」だけが唯一の例外なのです。
「別にええやん」という声も聞こえてきそうですが、胸マークのフォントにこだわり続けてきた球団なんて他にありませんから、「なんてもったいないことをしたんだ!」と、怒りにも似た思いがありました。その後のウル虎ユニで、「Tigers」の書体変更はないので、同じ意見が多数あったのだと思います。