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〈法案提出に向けては、連立与党である公明党の合意を取り付ける必要があった。菅官房長官からの指示もあり、早い段階の8月上旬から中旬にかけて、公明党の代表、幹事長、政調会長の元に説明にお伺いするが、反応が薄い。というより、説明をまともに聞いて貰えなかった。(中略)

廃案になれば職を辞すると決めていた

 公明党関係では、もう一人、重鎮の理解を取り付けることに成功する。公明党の漆原良夫国会対策委員長(当時)である〉

 北村氏は、法案が成立せず、廃案となった場合には、内閣情報官の職を辞すると決めていたという。

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北村氏

〈この法案の議論に入ってから、6割台半ばで推移していた安倍内閣の支持率は10ポイント前後も下落した。安倍総理は、その点については一言も、一度たりとも私に質すことはなかったが、内閣の政治資源をこれだけ使って、廃案の憂き目に遭えば、その責任を取って去るしか道はなかった〉

 7月10日発売の文藝春秋8月号では、北村氏の連載「外事警察秘録」最終回を11ページにわたって掲載(「文藝春秋 電子版」では7月9日に公開)。特定秘密保護法案の成立過程を詳らかに記しており、同盟国の米国とのやり取りやメディア対策、「情報保全諮問会議」の座長を務めた渡邉恒雄主筆との会見についても明かしている。

 なお、この連載をまとめた「外事警察秘録」は今秋に刊行を予定している。

文藝春秋

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特定秘密保護法に職を賭した