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“肉体派女優”は両親から「格差婚」に猛反対され…確執を乗り越えた松坂慶子が「90まで女優をしたい」と語る理由

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「人は全てを持つことらぁ、できん。何かを選ぶことは何かを捨てることじゃ」

 NHK朝ドラ「らんまん」で、主人公・槙野万太郎(神木隆之介)の祖母タキを演じる松坂慶子(70)。厳しさの中にも愛のある言葉が、視聴者の胸を打っている。

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両親が『格差婚』に猛反対

 NHK関係者が語る。

「松坂さんはこれまで『まんぷく』など朝ドラ4本、大河ドラマ9本に出演。朝ドラのキャスティング会議では必ず名前が挙がるほど信頼されている。母や祖母役が多いですが、『あまり子供に厳しくする役の経験がない』と今回は不安だったようで、演出から『もっと強めに演じて下さい』と言われて苦戦していました」

 そんな松坂だが、実の両親とは壮絶な確執が――。

 1979年、主演ドラマ「水中花」と主題歌「愛の水中花」が大ヒット。さらに映画『青春の門』『蒲田行進曲』などの体当たり演技で“肉体派女優”として人気を誇った松坂は、91年にジャズギタリスト・高内春彦氏との結婚を発表。

“清純派”だった25歳の頃

「人気絶頂だった松坂と、無名ミュージシャンの高内さんとでは収入も知名度も雲泥の差。この『格差婚』に猛反対したのが松坂の父・英明さんと母・つね子さんでした」(芸能記者)

親子関係は断絶 松坂夫婦はニューヨークに移住

 芸能ジャーナリストの二田一比古氏が振り返る。

「当時、自宅に取材に行くと、お父さんは取材陣を応接間に通して『あの男とは絶対に結婚させない』『収入もなく、慶子にたかる吸血鬼だ』なんて大声で怒鳴り散らしていました。メディアを通じて松坂さんに訴えたかったんでしょう」

 さらに英明氏は小誌93年1月7日号で「娘・松坂慶子の女優生命を絶つ!」と題した記事で実名告白。「実家の表札から“慶子”の文字を削り取った」などと明かした。親子断絶は決定的となり、松坂夫婦はニューヨークへと移り住んだ。

「『夫と2人だけでやっていく』という意地を見せたのでしょう。そのまま日本で暮らしていたら、結局松坂さんの収入で家族を支えることになるので」(同前)